56話 〜花火大会編〜

「……」

俺、さくら、くみちゃん、おっちゃんみんなが応援のまなざしを送り、お姉ちゃんが慎重にヨーヨー釣りをしています。こんなに真剣なヨーヨー釣りがあったでしょうか。


「あ、とれた!」


「おねえちゃんすごい!」

おぉぉ! お姉ちゃんよくやったぞ!! あ、でも…


「あ!」


\ポチャン/


釣れたヨーヨーをすぐ取らなかったので落ちてしまいました…。


「おちちゃったね…」


「くみちゃんごめんね、とれなかった」

お姉ちゃん…取れてもくみちゃんにあげようと思ってたの? 優しいね、いい子だねぇ。


「お嬢ちゃんたち、はいどうぞ」

おっちゃん…!!


「2人が取ろうとしてたのだけど、これでいいかい?」


「え…だいじょうぶです!」

お姉ちゃん、断らなくていいんだぞ! この隣のさくらだってもらってたぞ!


「…だいじょうぶです」

くみちゃんも強がっちゃったから!


「あはは! ほんといい子だなぁ! こういう時は遠慮しないでもらっていいんだよ! ほら、おじさんはもらってほしいな〜」


「…ありがとうございます!!」


「わぁーい! おじちゃんありがとう!」


よかったなぁ、2人とも!




「2人ともかわいいし、いい子だったね〜!」


「だよな〜、癒されたー」

お兄さんとお姉さんもありがとうって言ってくれてほんといい子達だったなぁ。


「ふーくんも優しくてかっこよかった!」

おぉ! さくらからのかっこいい頂きました! 何回言われても嬉しい!


「先に声かけたのさくらだし、さくらの方が優しいな。あの子喜んでよかったよなー」


「えへへ、ほんとよかったね〜! じゃあ、次は射的だー!」


「あはは、切り替え早っ!」


「ごめんごめん!」


「いや、行こうぜ! 射的行ってー、早めに花火見れるとこ行かないとな」


「うん!」


優しい世界…大好きだなぁ。

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