57話 〜花火大会編〜

「いや〜、射的楽しかったな!」

…え、射的楽しみにしてたのになんで終わってるって?


「でも、難しかったね〜。取れなくても楽しかった〜」

…察してください。


「場所探しに行くか〜」

どの辺で見るのがいいんだ。階段の方とかか…人気で混みそうだよなぁ。


「じゃあ、あっちがいいと思う!」


「おぉ、さすが」

さくら花火そんなに好きだったのか。あ、でもあっち座れるとこあるかな。


「さすがって茶化してる〜?」


「いやいや、よく知ってるなって思っただけ。あっちって座れる?」

ちょっと茶化してたかもな、話変えて…。


「うふふ」

お、なんかカバン漁り出した。そういえばある程度サイズあるのに持ってあげてなかったな…。帰りに言うか。


「ジャジャーン!」


「おぉ!」


「ちゃんとレジャーシート持ってきてます!」


「おぉ〜、準備いいな」


「ふーくんも座ってね」


「ありがと」

シートがあるからあっちだったのか。そういえば小さい頃あの辺でシート引いてたな。


「うん! あっち行こ〜」


「おぅ」




「うーん、この辺にする?」


「さくらの好きなとこでいいけど、ここ後ろ草とか近くて虫いるかもしれないからもうちょっと前の方がいいんじゃないか?」

さくらは虫が苦手なはず。花火中の虫との遭遇は避けたいな。


「そっか! じゃあ〜、この辺だ!」


「おぅ、いいな」

結構前に行ったな。やっぱ虫苦手なんだな。


「花火まで時間あるね〜、さっそくご飯食べましょー!」


「そうだな」

きっと冷めてるけど、猫舌の俺たちにはちょうどいいはず。


「やきそば、じゃがバター…焼き鳥」


「美味しそ〜、いただきます!」


「おぅ、いただきます」

うん、ちょうどいい温度!


「ふーくん、食べ終わったらりんご飴買ってきたい!」


「んー、花火の前?」


「時間あるし!」

…場所取ってるから1人で買いに行く方が良いけど、さくらを1人にしたくないし。でも、りんご飴欲しいんだもんなぁ。花火の後とか混雑して買えないかぁ。


「んー、1人で行くのは危ないし…。俺買ってくるか?」

1人で出歩かせるよりはここにいてもらう方が安全だろうな。


「え〜、大丈夫だよ?」

さくらさん、そろそろ自分がかわいいこと自覚してください。


「俺が嫌なの。食べたら買ってきてやるから、普通のでいいんだろ?」


「うん、ありがと〜。でも」

でもってなんだよ、また行ってもらうの申し訳ないとか言い出すのか?


「普通じゃないりんご飴ってなに?」


「え、そこ? なんか緑のとかってことだよ」


「あー! 赤いのでお願いします!」


「了解しました」


さくらを1人にするのは嫌だから速攻で買ってくるからな。

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