恋をした君と振り回される僕

38話

弓人くんの嫉妬のご相談が終わり、何気ない会話で盛り上がりました。今はですね…。

「史人さんとさくらさん、お付き合いしてないって…あれ？」

弓人くんは俺とさくらが付き合いだしたと知らないようです。

「あー、えっと…」

「水族館の帰りに告って付き合ったんだよなー！」

「まじすか。おめでとうございます！ ってか、史人さんから聞きたかったのに」

智に先に言われちゃいました。

「ありがとう」

「史人は恥ずかしがり屋さんだから俺が教えてあげたんですー」

「ちょ…恥ずかしがり屋って…」

否定できない。

「史人さん、さくらさんのこと好きだったんですね」

「え？」

俺バレてなかったのか。

「さくらさんは史人さんのこと好きなんだと思ってましたけど…」

「え！？」

「史人は鈍感だから」

たくも気づいてたの！？ さくら俺のこと好きオーラ出してたか？

「まじ！？ 史人がさくらちゃん好きなのは分かりきってたけど、さくらちゃんの気持ちは知らなかったわー」

智も俺側か。よし、俺鈍感じゃないー。

「さくらさん、史人のこと好きそうだったし。面白いから史人には言わなかった」

たくは応援してくれるいいやつだと思っていたが…遊ばれていたのかもしれない…。

「史人さんは冷静なので分かりませんでした…。さくらさんはこう史人さんへの、こう…なんて言うんでしょう。眼差し？ まぁ、向けるオーラが違っていたので分かりました」

「オーラ…」

俺も知りたい、そのさくらの俺を好きなオーラ。

「ほら、見て」

ん？

「あ、終わっちゃった。さくらちゃん見てる時もそうだけどね、史人だってさくらちゃんのこと好き好き大好きオーラ出てんだよ」

なんだ、その恥ずかしいネーミングは！ 否定できないけど！！

「なるほど…」

「確かによく見る」

「いや、2人とも納得しないでくれる！？」

「いいじゃん、ラブラブで〜」

「うっせぇ、智」

「はいはい」

「史人さんとさくらさんがお付き合いしたなら皆でデートできますね」

あぁ、次から皆で行くとほんとのデートになるんだな。

「…人数多くね？」

「あー」

「ダブルデートしまくれるってことっすね！」

弓人くんポジティブ！

「俺は2人がいい」

たく、気を使おうそこは！！

「あー、それもそうですね」

うん、弓人くんやっぱり素直！

「まぁ、人数も多いし！ 集まれる時皆で集まればいいだろ！」

「そうですね」

カップルが4組もってなんか面白いな。皆で集まるのも楽しそう。

…これ、別れたら地獄じゃね？ いやいやいや、良くない良くない。どこも別れない！ 幸せになるぞー！