第17話
「あ…。え、えっと。初めまして…」
緊張してます! って感じだな。
「あの来て頂いてありがとうございます…!」
来るとも思ってなかったのかな。
「いえ、話ってなんですか?」
さくら待たせてるし、期待させても悪いからな。本題本題。
「えっと…」
お。あっちで女子達が見てるわ。友達か? ニヤニヤしてんなー。
「大丈夫?」
黙っちゃったよ…。ちょっと会話してみるか。
「あっちで見てるのお友達?」
「あ…。いや…。はい」
ん? 変なリアクションだな…。友達じゃないのか? …あ。罰ゲーム?
「あの…」
お、話始めた。
「す…好きです。つ…付き合ってください!」
おぉ、急だな。
「えっと。ごめんなさい。俺彼女がいるので」
「…ですよね。聞いてくださってありがとうございました」
「こちらこそありがとう。じゃあ」
「はい、失礼します」
あっさりしてたなぁ。あ、女子達消えてる。やっぱ罰ゲーム? それか、あの子いじめられてたり…。んー、俺にどうにかできることではないんだよなぁ。まぁ、さくらのとこ戻ろー。
「ただいま」
「あ、おかえり〜。早かったね」
「お、何してんの?
ノート開いてる。
「もっとかかると思って絵描いてたー」
「おぉ、見せて」
「じゃん!」
「お、かわいい。あ、もふ?」
「おぉ〜、すごい! よく分かったね!」
「当たった〜、うまいな」
俺があげた服着てる絵だったしな。
「えへへ、ありがと〜。じゃあ帰ろ〜!」
「おぅ」
「そういえば、ふーくんやっぱり告白されたの?」
「あー、うん。断ったけど」
「そっか、ありがとう」
「でもなぁ」
「ん?」
「いや、告白してくれた子罰ゲームだったのかなって。それか、いじめられてた…とか…」
失礼だろうけど、あんな地味な子があんな元気そうな女子グループにいるのかな。
「え、どういうこと?」
〜カクカクシカジカ〜
「なるほどー、女子が見てたんだー。応援してた可能性もあるからねー…。見てなかったからわからないけど気になるね…」
「学年違うし、接点もない俺らにできることなんてないだろうけど、困ってないといいなと思ってな」
「うん、そうだね…。できることはしてあげたい」
さくらも同じように考えてくれて良かった。
「ふーくん、そのお付き合いするとかはだめだけど。その子が困ってたら助けてあげてね」
「おぅ、さんきゅーな」
って言っても何ができるんだ。ってか、普通に告白してきて応援にきた可能性だって充分あるしな。あんま、気にしすぎても良くないな。
「俺の勘違いかもしれないし、さくらはあんま気にするなよ」
「うん、分かった」
さくらに何かあったら1番に助けるのは俺でありたいな。
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