第7話

\ピンポーン/


“あ、ふーくん! 今行くね〜”

今日はもふくん、あ。もふちゃんに会いにさくら宅にやってきました。



「いらっしゃ〜い! 入って、入ってー!!」


「おぅ、あれ? お母さんは?」

さくらのお母さんがいらっしゃると聞いたので、さくら家族分のちょっとしたお菓子を持ってきた。


「あ、それがね。今日仕事が入っちゃったみたいで〜。ふーくんに会うの楽しみにしてたみたいなんだけどね〜」


「へぇー。残念だな」

…え。待て待て。お母さんもお父さんも仕事ってことか? 2人っきり? 2人っきりか…。うわ、急に緊張してきたんだが!?


「うん、あ。さっそくもふのいるリビングに行きましょ〜」


「おぅ」

そうだ、俺はもふに会いにきたんだ。落ち着け、俺。


「あ、そういえば。さくらの家族分お菓子買ってきた」


「えー! ありがと〜! といいつつ手に持ってるの気になってた〜」

まぁ、前におみやげ持って行くって言っちゃったしな。


「うわぁ、ゼリー! 美味しそ〜、冷やさなきゃ!」


「ははは、喜んでくれて良かった」


「うふふ、ふーくんありがと!」

おぉ、急に満面の笑み…。かわいい。


「よーし、気を取り直して〜! ふーくんともふのご対面!!」


「あはは、ご対面! おぉ〜、生もふちゃんだー!」


「かわいいでしょ〜!!」


「おぅ、かわいいな。写真で見るよりもふもふだなー!」


「うふふ、触ってみる?」


「あ、まずはもふにプレゼントな〜。一緒に買ったからさくらはわかるけど…はい、どうぞ」


「うふふ、ありがとー!! お洋服かわいい〜、後で着せてあげよ〜。あ、もふ! まだお菓子の時間じゃないよ〜」

おぉ、ゲージから顔出してる…かわいいなぁ。


「触っていいのか?」


「今ちょうどゲージから顔出してるし、頭撫でたりしていいよ〜。お菓子置いてくるー!」


「おぅ」

もふと2人きりだな。おぉ、ふわふわしてる。あ、舐めたりすんのかな…。手洗わなきゃな。水道…久しぶりに来たし、勝手に使うのもなぁ。さくら待ってるか。



「あれ、ふーくんどうしたの?」


「あ、手洗わないと良くないかと思って。外から来たし。おでこ一回触っちゃったけどな。水道借りていいか?」


「勝手に使っていいのに〜! 前は自分の家みたいに過ごしてたじゃん!」

…あの時と今とは、なんか違いますから。


「大人になったんですー。借りるな?」


「はーい、もふ〜外出てよっか〜」


よし、手を洗ったらもふといっぱい遊ぶぞ〜! 別にもふもいるし、さくらと2人きりとか気にしてねぇかんな!!

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