第8話

僕はいつも通り学校へ向かっていった。でも今日は珍しく歩きで向かっている。

しばらく歩いていると頭の上から幼い声が聞こえた。上を見上げると黒髪ショートで白のフリルワンピースを着た僕好みの女の子が電柱に登っていた。年齢は身長からして女子高生ぐらいだろうか。

ミジョ・ニキ「お嬢ちゃん、そんなところに居たら危ないよ。降りてきな。」

僕が言うと女の子は電柱から飛び降りた。

ミジョ・ニキ「お嬢ちゃん、なんでそんなところに居たの?」

女の子はこう答えた。

女の子「人を探してるんです!青髪で、細身だけどドーンって筋肉がついてる男の人なんですけど?」

うーん...特徴的にどう考えても青山先生なんだよなー。でもこんな幼い子が青山先生のこと知ってるはずないんだよ。

まさか青山先生、女子高生に手を...!いやあの人に限ってそんなことしないか。

そういえばこの子の名前を聞いてなかったな。

ミジョ・ニキ「お嬢ちゃん、名前はなんて言うの?」

女の子「私、瑠璃です!鬼塚瑠璃って言います!!16歳です!」

元気が良くて可愛いな。気づかなかったけどこの子八重歯なんだ。可愛い!

ミジョ・ニキ「瑠璃ちゃん、僕、瑠璃ちゃんが探してるって言う男の人見覚えがあるかもしれない。でも僕仕事があるからもうそろそろ行かないと行けないんだ。」

瑠璃「じゃあ私ここで待ってます!忘れないでくださいね!」

僕は、うん、と言って頷き、その場を去った。


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学校に着いて僕はすぐに行く途中であったことを青山先生に話した。

ミジョ・ニキ「青山先生、今日学校に来る途中で女子高生の子に会ったんですけど、どうやら人を探してるらしいんですよ。で、その探してる人の特徴が青山先生に当てはまってるんですよね。もしかして、女子高生に手出したり...」

青山朔弥「そんなわけないじゃないですか!」

青山先生は食い気味に答えた。

ミジョ・ニキ「ごめんごめん。名前は鬼塚瑠璃ちゃんって。」

すると青山先生は驚いた表情をした。

青山朔弥「本当ですか!?」

ミジョ・ニキ「は、はい...」

青山朔弥「すみません...取り乱しました。その子とはどこで会いましたか?」

僕は女の子とあった場所とそこで女の子が待っているという事を伝えた。

青山先生はその日授業が無かったので朝のHRを終えると早退した。


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青山朔弥は急いでミジョ・ニキに教えてもらった場所へ向かった。

そこに着くと瑠璃がそこで待っていた。

瑠璃はすぐに朔弥に気づいた。

鬼塚瑠璃「あ!さくさん!ずっと探してたんだよー。」

青山朔弥「瑠璃、久しぶりだな。何しに来たんだ?」

すると瑠璃は真面目な顔になって答えた。

鬼塚瑠璃「さくさんは、もう里に戻ってくるつもりはないの?みんな待ってるんだよ。一緒に帰ろう?」

朔弥は顔を伏せて答えた。

青山朔弥「俺は...もう里に帰りたくない。」

鬼塚瑠璃「どうして?私たちのこと嫌いになっちゃった?」

青山朔弥「俺だってみんなと会いたいさ。でもこっちに大切な人ができちゃったんだ。だから俺は里には帰れない...」

鬼塚瑠璃「そっか...でも私諦めないからね。絶対さくさんを連れて帰るからね。」

そう言って瑠璃はその場を去った。


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学校

青山先生どうしちゃったのかな?あんなに慌てて...もしかして本当に女子高生と...

透「ミジョ先生?」

ミジョ・ニキ「うわぁ!?びっくりした...透さんか。どうしたの?」

透「すみません。びっくりさせてしまいましたか?ミジョ先生、元気なさそうだったので。」

ミジョ・ニキ「ごめん、ちょっと考え事してて。」

透さん、僕のこと気にかけてくれたんだな。可愛いんだからさ。

透「ミジョ先生が考え事って珍しいですね。そんなに大変なことなんですか?」

ミジョ・ニキ「いやそこまで重要なことじゃないんだけどさ。ありがとうね。心配してくれて!」

僕は自然に笑顔になっていた。

去り際に見えた透さんの顔は少しだけ元気がないように見えた。

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