貧乏美少女との同居生活。

砂糖はるき

第1話 その本は『食べられる野草』だった。

 俺の名前は鈴木一護。高校二年生。十七歳。


 現在地は学校の図書館。お昼ご飯を食べ終え一人で来ている。


 図書館に来ている理由は三日後から始まる夏休みの宿題、読書感想文用の小説を借りるため。


 俺の以外にも生徒がかなりいる。夏休みの小説を借りに来ているのかな?


 とりあえずプラプラと歩いて見て回る。


 図書館にはライトノベル小説もあるけど、読書感想文はお堅い小説のみ。なかなか心惹かれるものがない。


 そもそも俺はライトノベル含め小説なんて読まない。宿題のプリントにおすすめ小説は提示されているけど全部貸し出し中。借りに来るのが遅すぎた。


 うーむ。お昼休みの時間が終わる。何かないの? 棚を手当たり次第に見てまわった。


 ないないない。どうしよ。いっそ自分で小説書くか! ……ダメだ! 書き方が分からねぇ。


 ウロウロしていると圧倒的に他の生徒と違う雰囲気を纏った生徒がいた。同じクラスの岩佐美希さん。棚をジッと見つめている。


 岩佐美希さんは学校一の美少女と周りが言っている。俺もそう思う。腰まである長い黒髪。平均値より低い身長で細い体。


 美希さんは棚から一冊の本を取った。学校一の美少女は何の本を借りるのだろう。周りにいる生徒も気になってる様だ。みんなチラチラと美希さんを見ている。


 俺は美希さんの手にある本のタイトルを見た。自慢じゃないが視力はいい。少し遠くてもよく見える。


 本のタイトルは……〈食べられる野草〉……はい? なっ、なぜそんなマニアックなものを借りてる⁉︎


 ……あっ、もしかして自由研究に使うのか! 近くに生えている野草に食べれるものがあるのか調べる! さ、流石は学校一の美少女。目の付け所が違う。


 感心していると美希さんは本を見て微笑んでいる。くっ、かわいい。いつもは無表情なのに。


 そして美希さんは食べられる野草の本を抱きしめてカウンターへ行った。その姿もかわいい。


 ——はっ。見惚れていた。俺も本を借りないと!


 そばの棚から適当に選んで一冊の小説を手に取りカウンターへ。美希さんはもういない。


 ……ふぅ。無事に借りれた。おっと、昼休みが終わる。急いで教室に戻ろっと。

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