3
あの出来事以来旅が怖くなり。
ひっそりと一人で生活していたが食料もお金も底に付き 広場で
「だ、誰か… すこしで良いんでお恵みを-----何も食べたないんです・・・」
次第に意識がだんだんと薄れて逝く…
ふっと目が覚めれば見知らぬベッドの上
「やぁ、大変だってね、ゆっくりして行くと良い。勇者様よ~」
「ありがとうございます!」
怪我も治り、これまでの事情を話した
おじさんはこんな僕にもやさしくしてくれた。
しばらくの間ここでし食事と寝床の面倒も見てくれた。
今ではここの畑仕事を手伝いながらおじさんと孫娘アリスの三人で生活を送る
ある日畑仕事を終え家に帰ると
「おい、ユウキ‼聞いてくれ」
「そんな慌てどうしたんですか?」
おじいさんが俺に切羽詰まった様に話始める
話を聞くと魔王をはじめ各国が僕を探し始めている
見つかるのも時間の問題か。
「すまんが、わしにはその~大事な大事な孫娘がおる頼む出ていってくれ」
それを聞くとアリスはおじいさんに猛反対する。
「そんなのひどいわぁ、追い出すなんてひどいじゃないの‼おじさんなんて嫌いよ‼」
そんな二人の様子に割って入る
「良いんだよ、アリアほんと今までお世話になりました」
それでも納得しないアリスは家を出て行った
おじいさんは俺の目を見ながらあの子を頼むっと言い僕はゆっくりと頷き後を追う。
ガラの悪い連中に絡まれているアリス
「おい、姉ちゃんちょっと聞きたいことあるやけどな」
「ちょ近寄らないで」
「まぁそんなこと言わずにさぁ、すぐに終わるから…」
辺りにある棒を手にしチンピラの後頭部を思い切り振った
衝撃でうずくまっている。この隙にアリスの手を引っ張る
「はぁはぁ・・・なんとか逃げ切れた」
「あの~先はありがとう…」
アリスは僕の顔を見つめ僕も見つめ返すお互い頬を寄せ自然と胸の奥が温まる
気が付けば太陽が沈み始める。家まで手を繋ぎ歩く
だけども家の様子が可笑しい、何かを感じた扉を開ける
「お、おじさん今帰ってきたよ」
「一足遅かったな、勇者よ」
血塗られた一つ目怪物が立っていた
「き、貴様ぁ! おじさんをどこにやった」
「あの爺のことか、あ~ 美味しかったよ」
無我夢中で殴り掛かるも効いていない様子 俺は壁に叩き付けられる
グファッ―――
怪物がアリスに向かって大きく腕を振りかぶる
「や、やめてくれぇぇ‼」
アリス逃げるように言うが足がすくんで動けない様子
耳の中で不快な音が連打する。 ドン、ドン
「まったくしょうがねぇなぁ」
どこから聞き覚えのある声に目を開けるそこには、怪物が下半身だけになっていた。
先のガラの悪いチンピラだと思っていたがよく見るとメディカの姿だ
「えっ?死んだじゃ?」
「勝手に殺すな‼あの後なお前達と合流するため必死に探したんだからな」
「ごめん…」
「はぁ~ まぁでも少しは男になったじゃなか」
腕を借りアリスの近寄る
「おい、確りしろ‼」
アリスはとりつかれたように何かを探し始める
「おい~、何が遭ったじゃ?ヴぉ!?わしの家が‼」
遠くの方からおじいさんの声が
「おじさん、生きてて良かった酷いこと言ってごめんなさい」
泣きじゃくるアリスその様子を見て思った。
このままではアリス達がまた危険に晒される。メディカと話し
「無理には言わないがこのままでは何も解決されない」
淡々と話し始めるメディカ
「分かってる… でも少し考えてみたんだこのまま遠い場所までにげよって」
深いため息を付く
「最後まで話を聞いて‼俺少しは思い出したんだよ、前の世界も逃げてばかりだた」
「だからなんだ?」
「もう一度チャンスを‼」
俺はこの場で固く決心した。ここに飛ばされ理由を知るためも
アリスを守るためにも。
「そこまで言いうならもう一度チャンスをやろう!名無し勇者」
俺は首を大きく横に振る
「もう名無し勇者なんかじゃない、俺の名は勇気だ」
「調子のるな、馬鹿者」
メディカはベシベシと俺の背中を叩き旅路の準備をする
別れの挨拶を済ませ旅に出た
後からアリスがそっと背中に抱きつきながら
「必ず生きて帰ってきて」
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