6年間の片想いが報われたら、10代で妊娠出産して愛した人に人生のどん底に突き落とされた話

宇佐美 黒

プロローグ

嫌でも目を奪う程の満開の桜が生い茂る春。今日は記念すべき憧れの中学生を迎えた日だった。


ハラハラと散る桃色の花弁、新品のピシッとした少し大きめの制服、汚れ一つないスクールバッグ。


どれもこれも、私の新しい学園生活を感じさせてくれる物だった。


殆が同じ小学校からそのままこの中学校に通う事になっているので、あまり生徒達に新鮮味は感じないけれど、皆の制服姿を見るとやはり自分も中学生になったのだと実感させられる。







貴方がこの学校に通うと知っていれば、私はこの学校を選ばなかった。

そうすれば出会う事など無かったのだから。



この学園生活が、私の人生を狂わせるスタートだなんて思ってもなかった。


嗚呼神様、どうかこの瞬間をやり直させてください。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る