先生! もっとプリント配ってください!!

先生、マジでマジでお願いだから

もっとプリント配ってください


俺の名前はコウ! 

好きな人の後ろの席になれて浮かれている男だ。

好きな人の後ろの席にはなれたけど、恥ずかし過ぎて全然喋りかけられないっっ!!

せっかく後ろの席になれたのに惜しいことしてるのは分かってる。

けど……無理だ、恥ずかしい。


でもでもでも!!!

先生がプリント配ってくれるとき!!


「はい」

「……ありがとう」

「うん!」


そう! プリントをもらうときに、少しほんの少しだけど、喋ることができるのだ!


俺にはこれが至福の瞬間なのだ。

先生がプリントを配り始めたら、早く来ないかってドキドキして、そして、彼女が後ろを向いて俺にプリントをくれて、その瞬間、手が触れそうなことにもドキドキして、そして、ありがとうって言ったら彼女がにこっとしながら返事をするんだ。俺は、またそれにもドキドキしてる。

俺は唯一、その時、俺だけが! 彼女の可愛らしい笑顔を見ることが出来るんだ!!


だから、お願いだから、本当にお願いだから

先生、もっともっと、プリント配ってください!!

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