エピソード6


 数分、歩いていたらトリクロニティの噴水に着いた。


噴水は聖なる水が流れており、太陽に当たってきらびやかに輝いていた。


噴水のふちに座り、癒物をその中に入れてやった。泳げるのか謎だったが、みな喜んでいる。


笑顔で気持ちよさそうに浸っていた。

森子のLvは12で、コリーナの親愛度が9、ルラとその他ショップで買った癒物が4だった。


噴水で1時間くらいレノと話していたら、話している最中は気にならなかったが、周りからプルルル、ピロンといった音が聞こえた。


『親愛度が上がりました』

『コリーナLv9→14、ルラLv4→9、……Lv4→9。お知らせは以上です』


(噴水浴びるだけでLvが5も上がるのー!!えーっ)私は心底驚いていた。


そして、真横にある数字を見てみるとLvが27に上がっていた。どうやらユーザーLvは15上がるようだ。


レノさんはLv138に上がっていた。前のLvは137だった。バトル中や癒物を癒されたり、癒したりするうちに1Lv上がっていたのだ。やはりLvが高ければ、その分貰える経験値と上がるLvに比が出てくる。


ルラ等のショップで買った癒物を撫でたり、抱きついていたら『Lv9→Lv10に上がりました』とのお知らせが来た。


「レノさん、それじゃもう時間だし、行こっか」タメ口だったけど、そう提案した。


レノさんはまだまだ噴水の音を心地よく聞いていたいという表情だったけど、了承してくれた。


「そうね。でも何処がいいかしら。」

「そうだわ。オズさんがいる帝国の宮殿の門の近くに行きましょ」とレノは言った。


私は「いいね!」と言い、足取りを合わせた。


私達は宮殿に向かった。


宮殿が見えたと思ったその時、ぐらっとして、あの過労の時と同じような眩暈めまいに見舞われた。


(オズさんらしき人がこっちに来る……)


眩暈で倒れそうになったが、オズが身体を救い上げてくれた。


「オズさん?」頭と身体を支えられながら、意識が曖昧な中、問う。


「どうやら、貧血みたいだな」そうオズは判断した。


今回は貧血だった。


「早く措置しないといけないな」とオズは言った。


その時、レノは私に向かって睨んでいた。心配そうに看病しようという様子は無い。


(レノさん、なんで……)


うこうしているうちに私は宮殿の中に運ばれていった。








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