あふれる笑み




今にも 溢れてしまいそうな笑みを

照れで押さえ込みながら

それでも

喉の奥で

胃の中で

体中の細い血管の端っこまで

なんともいえないものに満たされて

座っているお尻に居心地の悪さを覚えながらも

ああ これがしあわせなんだ

と噛みしめて

祝福の言葉には

小さく相槌を打って

意地悪な質問には

どうしようかと少し考えてから小出しにして答える


網焼きの上の海老は赤くなり

帆立貝は醤油の香ばしい香りをさせて

白い泡が輝く生ビールが飛ぶように売れて

笑顔で話すと笑顔で返ってくる

このささやかであたたかな宴は

君を慶び

君は喜ぶ




結婚おめでとう





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