第90話 長崎沖の海戦(6)〔海賊お市、黒髭じゃなくよ、黒髪だよ〕
〔永禄5年(1562年)3月28日〕
長崎沖の海戦は大勝利で終えた。
敵の損害は大型ガレオン船の大破が1隻、火災による航行不能が1隻、拿捕が1隻、ガレオン船の大破が8隻、中破・小破で航行不能が6隻、拿捕が4隻、加えてキャラック船の拿捕が7隻だ。
イスパニア艦隊は50隻中28隻を失った。
予想以上の戦果だ。
12隻も拿捕できた事が嬉しい。
これで琉球南部と
行き場を失ったキリシタンを含む荒くれ武将らの遊び場が、開拓地ができる。
もちろん、侵略はいつでも簡単にできる。
ただ、兵を送っても良いが、船の少なさから食糧の輸送する目途が立たなかった。
現地調達などさせれば、大きな遺恨となる。
ゆえに、少数精鋭による拠点確保から始める予定だったが、これで一気に移民まで前倒しだ。
九州成敗、領地替えで愚か者を排除できる。
(幸が不幸に変わり、不幸が幸に変わる。世の中は思いがけない事が起こるものだ)
さて、今回の一番手柄は
二艦隊10隻を撃破して敗走させ、逃げ遅れた輸送船団のキャラック船7隻を、平戸留守隊と共同で半包囲して降伏させた。
キャラック船の大砲は旧式で飛距離もなく、
本隊が撤退を開始した直後に割って入って逃げ道を押さえたのが決め手だった。
それらの船には、平戸支援の物資が積んであり、無償でキリシタンへの食糧が手に入ったのもラッキーだ。
俺は戦艦『尾張』から燃える艦隊を睨んでいた。
すべての船が爆散した訳ではなく、また脱出した小舟が浮かんでおり、放置できない。
人道的なフリをして救出させて捕虜とした。
火の粉を被らずにいた幸運な1隻も捕獲できた。
爆散したほとんどの船が
旗艦の大型ガレオン船を預かっていた提督ペドロ・メネンデス・デ・アビレスは、燃え始めた帆を素早く海に投棄させた。
他の船は帆から全体に燃え広がり、火の粉が落ちて手が付けられなくなっていったのを見れば、その対応が功を奏した。
だがしかし、甲板に落ちた摂氏2,000度以上の塊は簡単に板を燃やし尽くして船倉に達する。
これに対して、提督ペドロは荷物をすべて投棄するという荒業で乗り切った。
残念ながら熱の塊は板を何度も燃え尽きさせるほどの熱量はなかったようだ。
燃える物が無ければ、火災は限定的になる。
後はバケツリレーで消火する。
燃え移る前の部屋に水を被せ、甲板を上から壊して海水を投下させた。
中々の力技だ。
各所で起こる火災を消火し、終わった頃には船が半焼失して修復できるかは微妙だと言うほどの被害が報告された。
俺は無傷のガレオン船の降伏を了承し、漂流する小型艇の保護を命じた後に、逃げ出した敵の本隊を追ったので鎮火を最後まで見ていない。
他のガレオン船も似たような状況であり、すべて半焼失状態だそうだ。
マストが落ちて甲板が割れた船とか、尻に大きな穴が空いてしまった船とか、何とか沈まないように頑張っているが修復は無理そうだ。
一先ず名護屋へ曳航するように指示を出しておいた。
俺が本隊を追走し始めると、お市も追い駆けて来て合流した。
追撃は戦艦3隻と小型帆船6隻のみとなった。
それ以上割くと叛乱が起こった時に鎮静化できない可能性があると思ったからだ。
敵の本隊は
各船長に判断を委ねるという最後の指示を出しての撤退だ。
味方を切り捨て、本隊は大砲を1発も撃たないで撤退、そんな惨敗という十字架を背負い、それでも被害を最小限に抑えようする優秀な司令官だ。
イスパニアはどうか知らないが、日の本ならば、領地を召し上げられて切腹か、高野山に蟄居させられる。
切り捨てられた船長らは逃げきれないと思ったのか、あっさりと降伏した。
織田包囲網の連絡船と合流しながら敵本隊を追ったが、外海に出た時点で追走を中止して、昨日の内に薩摩の
論功行賞は名護屋で行うとして、内城の広間を借りて労いのお茶会を開いた。
「これは久しぶりのガトラチョコケーキ~~~~なのじゃ」
出されたお茶菓子を見て、お市が声を震わせた。
カカオの栽培は難しい。
高温多湿で日陰でないと育たない。
ガラスの温室では経費が掛かり過ぎて増産できず、やっと小笠原諸島の南の母島列島の島民を説得して、サトウキビやカカオの栽培が始まった。
生産量が少ないのに対して需要は多い。
偶に輸入されると大判振舞いで各所に配った。
その貴重なカカオから作ったチョコレートを持って来ており、千代女の意見でお市の胃袋を満足させる為に振る舞った。
お市だけケーキが3つだ。
「では、お市様は風下に迎えと指示があった瞬間に気付かれたのですか?」
「もちろん、なのじゃ」
「我々は不利な風下に陣取るのか悩みました」
「魯兄者は風が変わる事に気付いていたのじゃ。決して不利な選択ではなかった。天候を読んだ見事な采配だったのじゃ」
「流石、信照様」
「太閤様は全知全能でございますな」
「当然なのじゃ」
すでに秀吉らと一緒に輝ノ介、お市を呼び出して説明を聞いた後なので凄く気恥ずかしい。
風を読んだ事と浅瀬に敵を誘うのは俺の策だったとお市が言い触らしていた。
さらに、お市は黒潮の流れが読めた、
これを利用すれば、さらに陸地側に呼び込めると思ったそうだ。
薩摩に来ていた地元の船乗りに問うと、この小潮は数年に1度あるかどうかも判らないほどの不思議な現象らしい。
話を聞いて何となく想像する。
高気圧によって高潮の真逆の押し下げが起こり、そこに干潮になる直前の潮が引く現象と重なった時に起きたとしか言いようがない。
さらに、北に低気圧が起こって吸い上げ効果も重なったのかもしれない。
訳が判らない。
まったく富くじを引き当て続けるお市の幸運が為せる技としか言えない。
ともかく、お市は干潮で生まれた浅瀬に敵艦を座礁させる策を成功させようと張り切った。
輝ノ介に焚きつけられなければ、あんな危険な挑発は控えるつもりだったらしい。
俺に呼び出されて秀吉と輝ノ介とお市がやって来た。
お市は開口一番に謝罪した。
俺の予定だった15隻の戦艦を座礁域まで導けなかったと申し訳なさそう言った。
そもそも座礁させる予定はなかった。
お市の中の俺は15隻すべてを奪うつもりだったとは大胆不敵な奴だ。
どこの信照だ?
「お市様と一緒に乗船できなかったのが悔やまれます」
「すまんど。一番良い所を貰ったもした」
「
「おいもそう思いもす」
「どうか我らにも敵艦を奪った時の話を聞かせて下され」
「承知した。心して聞くのじゃ」
お市が自らの武勇伝を話し出した。
◇◇◇
海風が吹いた瞬間にお市は帆を目一杯に張らせて、左舷から右舷への風下航 (ジャイビング)を敢行する。
転進して追い駆けてくる敵の先行隊1番隊に方向を向けた。
しかし、お市は真っ直ぐに進まない、
やや回転 (ローリング)するのではないかと言うほど風上に寄せる。
敵もそれに合わせて取り舵 (左)に艦首を向けた。
その時、お市ににやりと白い歯を見せたと言う。
まず、巨大な大型ガレオン船が底を擦って速度をガクリと落とした。
他の船長もすぐに気付いたがもう遅い。
帆を裏返して急ブレーキを掛けるが、行き足の付いたガレオン船はそのまま座礁した。
大型ガレオン船1隻とガレオン船3隻が立ち往生する。
「座礁と言っても大した事ない。底を少し擦って動けなくなっただけなのじゃ。じゃが、その少しの時間で十分じゃった」
「大砲で撃沈する事は?」
「最初から考えておらんのじゃ。魯兄者の策じゃ。敵艦を奪ってこその完成なのじゃ」
「確かに」
「仰せの通りでございますな」
お市や輝ノ介の中には脅して降伏させるという選択はない。
お市は
さらに、伊勢い号 (伊勢3番艦)を側に併走させて、マストの上からロープを張ると、そのロープから滑走して一気に乗り移った。
「猿、間違っても近づくでないのじゃ」
「承知しております。当てぬように援護射撃を続けてうろついておきます」
「任せたのじゃ」
「では、行ってくる」
「輝ノ介様も気をつけて下さいませ」
伊勢い号は
上手回して敵艦に向けると、敵の大砲の射線外からガレオン船の船首に近づけた。
大型ガレオン船に近づくのに邪魔なガレオン船を拿捕する為だ。
帆船が近づくと、こちらが海賊戦を希望しているのが敵にも判ったのか?
鉄砲で応戦してくる。
甲板の上で盾を頭に乗せて凌ぎ、こちらも十数人が鉄砲で反撃した。
船と船の船首が近づいた。
多少は波が静かになっていたが、接舷できないので強引な乗り込みになる。
「そこでわらわは船首から船首に飛び移ったのじゃ」
「そんな事が可能なのですか?」
「わらわからすれば、容易いのじゃ」
「まさに忍びの技でごわす」
「信じられん」
「真実でごわす」
お市は得意の城壁越えで船首から船首に飛び移った。
中根南城で遊んでいたトランポリンの応用から生まれた『城壁登り』だ。
二人の忍びが紐を持って、そこに足を掛けて射出する。
身軽なお市らは、軽く5.5間 (10m)くらいを飛び越して行く。
近づいた瞬間にぴょんと飛んで、敵の船首甲板に乱入した。
ガレオン船の水夫からすれば、空中から飛来する敵に呆れるしかない。
お市に続いて身軽の者が5人ほど続く。
混乱している間に縄の先端に尖った鉄製の
「鎧を付けた儘に乗船していたと聞きましたが、恐ろしくないのですか?」
「海に落ちたら、それで終わりでごわす。薩摩武士に腰抜けはおりもはん」
「薩摩の武士は凄かったのじゃ」
「ありがとごわす」
そうなのだ。
軽装鎧を用意したが、それを身に付けず、薩摩の武士は重たい鎧兜を身に付けて乗船していた。
まず、半数の50人が乗り込んだ。
ガレオン船には100人の水夫と220人の騎士、兵士、奴隷兵が乗っていた。
お市の警護の忍びが20人続いたが、総勢で71人しかいない。
76人ではなく、71人なのは残念な事に5人の武士が手を滑らせて海に沈んだからだ。
手を滑らせたと言っても粗忽者ではない。
敵も必死に鉄砲などで狙撃してくる。
運悪く当たったとか、船首と船首が近づき過ぎて挟まったなどという不幸があった。
そんな事を振り返る事もなく、お市は突進した。
「では、お市様が敵を切り伏せて降伏させたのですね」
「残念じゃがそうではないのじゃ」
「お市様が苦戦したのですか?」
「あの細い刀は素早く、見慣れぬ戦い方に懐に入り難かったのじゃ」
エストックと呼ばれる闘牛士などが持つ、切先に向かって細くなり、刀身が90cmから120cmほどの長剣である。
脇差程度の小刀を獲物にするお市は、敵の懐に飛び込む必要がある。
しかし、片手で器用にくるくると攻撃してくる敵に手間取った。
一方、薩摩武士はそんな攻撃をモノともせずに、その剣ごと叩き斬って押していた。
初戦では薩摩武士の方が活躍したとお市が褒めた。
さて、時間を掛ければ、大型ガレオン船が座礁域から逃げ出す可能性もあった。
秀吉が戦艦『伊勢』を背後に移動させていたので敗走するルートを潰しに動いていたので逃がす心配はない。
ただ、拿捕を諦めて沈める事になる。
それではお市の気が済まない。
心の中で焦っていたが、大人しくしていた輝ノ介がここで動いた。
輝ノ介が長い縄を付けた『
敵が混乱し、伊勢い号への攻撃が止むのを待っていたのだ。
お市達が敵を前方に引き付けていたので、がら空きの後部甲板に着地すると、そのまま甲板を疾走して敵の船長に刀を翳して降伏させた。
薩摩武士団に敵ガレオン船を任せて、お市達は伊勢い号に戻ると敵旗艦の大型ガレオン船に船首を向けた。
「輝ノ介は美味しい所だけを取って狡いのじゃ」
「歯ごたえの無い敵であった」
「時間が稼げたので褒めてやる」
「ははは、もっと褒めよ」
お市らの攻撃を見ていた伊勢ろ号
こちらは鉄砲で援護射撃を繰り返しながら、一人一人と『
かなりの犠牲を強いたが想定内だろう。
一瞬で登るお市らが異常なのだ。
敵旗艦は総提督アンドレス・デ・ウルダネータの指揮で堂々と対応した。
しかし、お市の乗り込みを防ぐ事はできない。
お市は一瞬の隙を見て乗り込んだ。
そこから同じだ。
まず、お市の護衛が追随した。
残念ながら輝ノ介はターザンを諦めた。
大型ガレオン船のマストは高く、側面も高い。
その高さの差から後部甲板に乗り込むのは無理だった。
お市のような真似をする。
だが、体重の重い輝ノ介は1度で昇る事ができないと感じたようでバールのようなモノを手に取って飛ぶと、そのバールのようなモノを船首の側面に大穴を開けて突き刺して、それを足場に二重飛びで何とか飛び乗ったと言う。
これはこれで曲芸だ。
そこからお市と輝ノ介の共闘だ。
船首甲板が混乱し、伊勢い号への攻撃が減ると、
だが、大型ガレオン船には敵が640人もいる。
「スバっと突き付けてくる剣を掻い潜って、敵騎士の腕や足を切り付けて行くのじゃ」
「正に
「簡単なのじゃ。相手より先に動けば良いのじゃ」
「それができれば、苦労は致しません」
「修練が足らんのじゃ」
修練とかの問題ではない。
お市の刀身には即効の痺れ薬が塗られているので小さな傷でも戦闘不能に陥ってゆく。
敵の中で黒髪を束ねたポーニーテールの尾がぴょんぴょんと跳ねて敵を駆逐し、輝ノ介も相も変わらず、美しい舞いを披露したらしい。
海の上では
『命が惜しくなくば、掛かって来い』
鬼っぷりに磨きが掛かっていたらしい。
敵の隊長は手応えがあり、輝ノ介の舞いにイスパイニの隊長は『バクスの舞い』で対応して、互いに躱しながら攻防を続けたと言う。
「ふふふ、久しぶりに五感が研ぎ澄まされた。良い戦いであった」
最後に輝ノ介の刀が敵の剣を巻き込んで逸らした隙に、腹から肩に掛けて逆袈裟切りで切り伏せた。
手加減をする暇がなかったらしく、輝ノ介は満足した。
名も知らぬ騎士に礼を言う。
敵の動きに慣れてきたお市は縦横無尽に走り回って敵を混乱させる。
時にはシュラウド (網のようなマストに昇る為の縄)を駆け上げると、手頃のロープを切って敵の背後に回るなどアクロバットな事をしたらしい。
懐に忍ばせた医療用のナイフみたいな小刀が飛ぶ。
これにも痺れ薬が塗ってあり、隊長らしい奴らが何人もこれで戦闘不能にさせられた。
『誰か、わらわを止めてみせるのじゃ』
あざ笑うような甲高い声に敵の兵が恐怖を走らせたらしい。
すべてを奪いにくる海賊だ。
黒い螺旋が兵に絡み付いて甲板に沈めて行った。
お市を追い駆けて黒装束の忍び衆が進んで行き、お市とお市の一団が突出する。
忍者の名が知れていれば、「おぉ、忍者!?」と叫んでいたかも知れない。
残念ながら忍者の知名度はまだ広がっていない。
だから、目の前にいるのが“魔女”に見えたらしい。
黒の乱舞、黒髪の魔女だ。
敵の提督はお市に『混乱を呼ぶ黒髪の魔女』と命名した。
それを追って鎧武者も突き進む。
細見剣で斬る事はできず、突く攻撃が有効だ。
それでも巧く急所を突かねば鎧に弾かれる。
突撃好きの薩摩衆が各所で争いを拡散させて行った。
戦いは終始優勢に進んだ。
だが敵の数が多く、日暮れまで続くと思った戦いはあっさりと終焉を迎えた。
ウルダネータ総提督は本隊が戦線を完全に離脱したのを見切った所で白旗を上げて降伏した。
呆気ない最後であった。
「武器を捨てよ。捨てなければ、切り捨てるのじゃ」
武器を捨てさせて縄で縛ってゆく。
事態を収拾している間に、秀吉の戦艦『伊勢』にも連絡船が届いて結集するという手旗信号を送ってきた。
戦艦『伊勢』が合流地点に向かうのを見て、このままでは置いて行かれる。
お市は焦ったらしい。
その場を他の者に任せて、お市は急いで小型帆船の伊勢い号に戻ると追わせた。
輝ノ介は当然だが
お市は船から船に移動するのに『猿渡り』(ジップライン)と呼ばれる方法を多用する。
帆を広げて船が離れようとすると船と船を架け渡された縄が張って、その縄を使って滑車で滑り降りる。
小型帆船から帆船ならば、マストの見張り台からマストの付け根に、逆の場合はマストの根元からマストの付け根だ。
そこにはフックを掛ける金具がある。
そもそもは荒波で放り出されない為に掛ける安全帯のフック受けだ。
お市は城での遊び道具を移動手段にしてしまった。
それは良いが、
着地した時に屋根が持たず、思わぬ二次災害が起こる所だった。
今回の被害者は艦橋に置かれた地図台だったそうだ。
尻が痛かったと皆の笑いを誘う。
操舵士の上に落ちた時は笑えないぞ。
大型ガレオン船を統括するのは、どうみても
それほど渇望した敵本隊との決戦だが残念ながら起こらなかった。
俺は薩摩の
大型船用の埠頭はないが小舟で積み替える事ができる。
まずは水の補充だ。
何故ならば、琉球の報せが届き次第に援軍に向う予定だからだ。
途中で別れた後詰め船団は単独でそのまま琉球那覇湊を目指すと言った。
イスパニアのキャラック船10隻が守っている可能性があると見積もった。
実際、こちらに7隻が来ていたので残りは3隻だ。
皆が旧式の大砲しか積んでいない船ならば、十分に戦えると豪語したからである。
無理ではない。
こちらは1,500mを届かせる大砲6門を積んだ小型帆船が3隻ある。
仕方ない。
総大将を
副将を
副将を
副将を
副将を
最後に軍師を
因みに、呼んだ順列は石高順だ。
守護代
但馬、播磨、因幡の三ヶ国守護の返り咲いた山名家より石高で上になっていた。
多少、足が遅い関船・300石船が同行しているので1日遅れて、今日にでも戦端を開いているハズであった。
まずはイスパニアを廃した後に、その勢いの儘に首里城を陥落させる事になっていた。
補給を終えれば、悪石島まで前進して連絡待ちだ。
こうして束の間の休息に、俺は茶会を開いて皆を和ませた。
妙に城の中が慌ただしくなって来た。
『黒船だ。黒船が来たぞ』
見知らぬ船が寄港して城内が大騒ぎになっていた。
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