異世界で第二の人生を歩む

二髪ハル

プロローグ 終わりの始まり

 俺は普通となのかわからない青春を送っていた。

 まずは気づいた時から母親はいない。

 離婚したのだと後々に告げられた。

 次に父親には俺に祖母押し付けていそのままいなくなった。

 祖母からは父親と同じ顔だから嫌だと毎日言われる日々。

 そんな環境化で今年で16歳の誕生日を過ぎたころには俺は引きこもりのゲーマーになっていた。


 一言だけ言わせてくれ。


「人生はクソゲーだろ……」


 そうつぶやきながらアルバイト帰りの途中。俺は帰っていく。

 うちの高校はバイトは大丈夫だ。遊ぶ金が欲しい、高校生なんだから。そんな俺がバイトしている理由は簡単のことだ。


 一ヶ月の小遣いが100円しか貰えないということだ。


 祖母からは小遣い100円しか貰えないとそれは仕方がないといえる。

 もう老後を迎え一人の人間を育てるのは苦難なことと言えるだから俺はアルバイトして自分の金を稼ぎたいと祖母に伝えた。

 そう、伝えた……。

 確かに俺の意思は伝えた。

 そしたらなんて返答が来たと思う?

 祖母の答えはこうだ。


「あんたの親父はあんたと同じ年の時に金を盗んだ。だからあんたも必ずやる。だってあいつの子供なんだから」


 だ、そうだ。

 祖母から見たら俺は父親の代わりの代用品と言ったところだろう。

 昔からいない父親と比較されムカついていた俺は黙ってこっそりとアルバイトをしている。

 まあ、そんなことは今更どうでもいいな。だって過去だし。一人暮らしで楽しく暮らしているこの空間が最高だ!

「新作のゲームなに買うかな!」


 もう気分は上昇している! だってギャルゲーの女の子が俺の帰りを待っているのだから。それに新作のRPGが待っている。

 信号が青信号に切り替わり。渡りきる。

 すると近くにあった公園がすぐ近くにあり子供が叫んでいた。


「おーい! いったぞそっち!」

「おう! 任せろ!」


「子供時代ね……。ゲームばっかり遊んでたな」


 そもそも友達付き合いもそんなに良くなかったからな……。


「おい、ボールどこまで蹴ってんだよ!」


 すると公園の方からボールが飛び出し。男の子が飛び出してきた。


「おい、あれってまずいんじゃねえの……」


 横からクラクションと共にトラックが突っ込んできている。


(おい、おいおいおいおい! やばいてマジでやばいって!)


 男の子はトラックの方を見つめていたが動けづ立ち止まってしまっている。

 このままだと本当に男の子が危ないって!


「おい、バカ! 動け!」


 自分の足を何度も叩き命令を動かし地面を蹴りだす。


「「うおぉぉぉぉぉ!!」」


 俺は少年の方へ猛スピードに走り込み突き飛ばす。



 ――ガシャンっ!!





 次のトラックにぶち当たり、そのまま意識が消えた。


 聞こえてきてきたのはサイレンの音が鳴り響き。真っ赤な光が俺の目の前で見えていた。


「大丈夫ですか? 意識はありますか?」


 知らない男が俺の方へと近づき呼びかけてきた。

 その赤い光の正体は救急車とパトカーが数台があった。

 多分この人は救急隊員なのか?

 精一杯の力で周りを見渡すとどんどんと人が近づき野次馬になっている。


「やだ。ここで人がなくなるなんて」

「怖いわ……」

「なに? 事件?」


(なんで俺の方を見てるんだ?)


 状況が分からず俺は体を起こそうと腕に力を入れた。 


(――ぐぁっ!)


 腕のところが釘で打たれたかのうな激痛が何度も波打ってくる。


(いてぇ――熱いっ!)


 見ている世界が真っ赤な世界になっていく。

 さっき声をかけた救急隊員が慌ててきた。

「しっかりしてください! しっかり!」


 俺は左右に体を揺らされながらタンクに運び込まれ救急車に乗せられた。


 どんどんと視界が真っ暗になっていく。


(あぁ……そうか)


 ようやく気付いた。


(俺はもうダメなんだな)



 気が付くと俺の墓があり。名前を刻まれていた。


『……え?』


 一瞬、何が起きたのか分からない交通事故の後はどうなったの俺?

 え? 墓があるってことは死んだんだよな?


『マジで死んだ?』 


 まじまじと見るが俺の名前だ……。


 すると向こうの方から背が高く顔立ちもいいイケメンだ歩いていた。

 そして俺の元の方へお辞儀をしていた。


『……あんな男。俺は知らないぞマジで』


 本当に知らないんだがこんなイケメン。俺の友達がこんなイケメンだったら覚えてるぞマジで。


 持っていた花を添えて線香を焚き手を合わせて合唱をしていた。


 そして俺の墓でしゃべりだしていた。


「……あれから数年が経ちますね」


 あれから数年?

 そっか、この人。あの時の子供か……。

 よく見ると面影が薄っすらとある。


「本当にありがとうございました」


 多分だが俺の中で少年が助かったかどうかが心配で幽霊にでもなったんだろうな。


『よかったよ。生きてくれて』


「――っ!」


 すると少年は辺りを見渡したあと顔をぐしゃぐしゃにしながら拳を強く握りしめていた。


「……はい。本当にありがとうございました」


 生きててくれて、本当に助かってよかった。

 空から光が差し込み階段が現れてきた。

 そっか俺の役目は終わったんだな。

 もし、次があるのだとしたら俺は普通の人生を歩みたい。

  登っていくのだった。

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