第25話 勇者……確保ぉぉぉぉぉ!
その部屋は、重厚な石壁で周りを囲まれていた。ヒロの目の前にある鉄の格子が入り口を塞ぎ、中に入る者の逃亡を許すまいと主張し、人の侵入を拒絶する部屋の中は、さながら堅牢な要塞に守られた気分にさせられる。
女神との出会いからアルムの町に辿り着くまで、まだ一日も経っていないと言うのに、ヒロは随分と時間が経った感覚に陥っていた。
殺風景な部屋の中はヒンヤリとした空気が漂い、石畳の冷たさと合わさることで、さながらウラコンで発売されたアクションゲーム、『アイスクライバー』の氷床を連想させた。
昨日、宿屋を探してアルムの町を徘徊していたヒロは、偶然見かけたお店の軒先にあったツボを見た瞬間……思わずツボを叩き割ってしまっていた。
そして近くを通りかかった衛士と名乗る男に確保され……そのまま詰所に連行された訳である。
執拗な取り調べは夜遅くまで行われて、日付が変わる頃に、この留置所に入れられた。
ヒロは留置場の中で特にすることもなく、ヒマを持て余してていると、床の冷たさからアイスクライバーを思い出し思わず妄想プレイを始めてしまい止まらなくなっていた……そして気がつけば徹夜していたと言う訳である!
「ん? もう朝か……思わず、アイスクライバーを始めたら止まらなくなっちゃったなあ」
壁の天井付近に設けられた、小さな窓から差し込む光が、ヒロに夜が明けたことを告げていた。
心のポーズボタンを押しゲームを一時中断したヒロは、徹夜明けによる謎の達成感を満喫しながら、昨日の衛士とのやり取りを思い出していた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
それは衛士ラングが、悪質な商人が多い大通りを巡回していた時だった。
突如大通りの喧騒の中に響き渡る、何かが割れる大きな音と商人の怒鳴り声……巡回中の衛士ラングは、何事かと怒鳴り声が上がる場所へ駆けつけてみると、そこには商人に胸ぐらを掴まれ怒鳴られている青年の姿があった。
足元に散らばる割れたツボの破片。
ラングは青年がたまたま通りかかった時に、軒先に置いてあったツボにぶつかり、割ってしまったのだろうと推測した。
高額な請求を商人が青年に迫っていないかと心配し、とりあえず二人の間に入り、事情を聞いてみたのだが……商人の話を聞く限り、明らかに青年の方が悪かった!
突如軒先に並べていた商品のツボを勝手に持ち上げ、ツボを叩き割ったと言うのだ。
商人の『止めろ!』と言う、声を無視してである。
だが商人の話を鵜呑みにできない。商人が嘘を吐いている可能性もあるからだ。
この辺りはボッタクリや悪質な客引きが多く、青年が被害者である可能性も否定できない。
衛士は青年にも詳しく事情を聞いてみる。
「私は町の治安を守る衛士だ。悪いようにはしないから、正直に答えて欲しい。あの商人の静止の声を振り切って、君がお店のツボを割ったと言っているが本当か?」
「はい。確かにツボは僕が割りました」
商人が難癖をつけて法外な金額を青年に払わせようとしていたのかと予想していた衛士は、想定外の答えに何か理由があるのかと考えさらに質問をする。
「なんでツボを割ったんだ?」
「そのツボが僕に割ってくれと、お願いされたからです!」
「……」
真剣な顔で答えるヒロに衛士は言葉を失う。意味不明な答えに衛士は『コイツはヤバイ奴かも』と思い始めた。
「ツボ自らがが割ってくれと、お願いしてきたと?」
「はい。だからツボを割りました!」
自信満々に答える青年に衛士の頭が痛くなる。
「このツボは売り物で、このお店の商品だぞ? それをツボがあったからって、割っていい訳がないだろ?」
「ですがあのツボは、僕に割られたがっていたんです。だから割ってあげました!」
商人と青年の主張……どちらが正しいのかと考えれば、明らかに商人の方が正しい。
どちらが悪いにしても、軽い注意と罰金だけて済まそうとしていた衛士……簡単には終わらせられなくなってしまった。
町の治安と防衛を担う衛士は、捕まえた犯罪者の取り調べも行わなくてはならず、ある程度の裁量を与えられている。
そのため軽微な犯罪に関しては各々で処分する権限が与えられている。
軽い刑については被害者が納得し、加害者が罪を受け入れ反省するならば、その場で略式の手続きを行い、それで終わりにするのが一般的である、
衛士も弁償と罰金だけでサッサとすまそうとしたかったが、そうもいかなくなってしまった。
明らかに言動がおかしく反省の色が見られない青年に、衛士は詳しく素性を聞こうと、衛士の詰所にまで任意同行を促す。
「すまんが詰所まで来てもらおう。色々と聞きたい事がある。悪いようにはしない」
「分かりました。ですが、ツボ自らが割られたがっていた事だけは、信じて下さい!」
衛士は確信した。コイツは野放しにしたら危なすぎると……。
衛士に任意同行を促され確保されたヒロは、すぐさま詰所まで連行されてしまった!
詰所の奥の部屋に通され、椅子に座らされるヒロ……窓もなく、天井に置かれた魔道ランプの光が部屋の中を明るく照らし出していた。
「さて、まだ名乗っていなかったな。私はこのアルムの町で衛士を務めるラングと言う。お前の名前は?」
「えーと……」
ヒロはラングと名乗る衛士に名前を尋ねてられたが、一瞬だけ言い澱んでしまう。町の治安を守る衛士と名乗る以上、下手な嘘を吐くと、まずいかも知れない。名前を言うのは良いが、正直に
この世界の事は、まだ良く知らないが、ステータス画面を他人に見られると、厄介なことになる可能性も考えられる。
衛士と言う職業自体は、元の世界で言う警察に属する機関なのだろう。だとすると、ここは名前を正直に答えるか愛称で答えるかでラングの対応が変わってくる。
何せ正直に発音したら『ヒーロー』の発音は、この世界では『変態』と言う意味なのだから……。
かと言って愛称のヒロを述べ、取り調べが終わった後に、偽名と発覚したらどうなるか分からない。
ヒロは悩んだ末、正直に答える事にした。
「僕の名前は
「はあ? おまえ
「本神が名字で
正直に答えたのに、思いっきり疑われていた。
「名字だと? 家名の事か? まさか貴族! ……な訳がないか。本当に貴族なら、あんな場所に一人でいるはずがないしな」
どうやらこの世界では、一般人は名前のみで貴族や身分の高い者のみが、名前と家名を持つのだとラングの一言で推測できた。
「僕は遥か遠い国からここまで旅して来たのですが、やはりヒーローの名はこの国の発音で変態って意味みたいですね……」
「そんな事ありえるのか……君、ステータス画面で名前を確認させてもらってもいいか? 無論、見た内容は人には絶対に公言しないと誓おう」
確かにステータス画面を見てもらえば、おそらく名前の事は信じてくれるだろうが、所持スキル欄の女神の絆や祝福を見られてどう思われるか……だが、ここでステータス画面を見せなければ、ますます怪しまれてしまう。
ヒロは意を決して、ラングにステータス画面を見せることにした。
「わかりました……ステータスオープン」
名前
性別 男
年齢 6才(27歳)
職業 プログラマー
レベル :5
HP:84/115(+45)
MP:65/75(+40)
筋力:62(+40)
体力:82(+40)
敏捷:62(+40)
知力:62(+40)
器用:72(+40)
幸運:57(+40)
固有スキル デバック LV 1
言語習得 LV 1
Bダッシュ LV 2
2段ジャンプ LV 1
所持スキル 女神の絆 LV1
女神の祝福 【呪い】LV 10
目の前に出現したステータス画面を確認する為、ラングは椅子から立ち上がりヒロの後ろに立って覗き見る。
「ん? なんだこれは? お前の国の文字だからか? 確かに何かが書かれてはいるが、俺には読めんな……」
どうやらヒロのステータス画面は日本語で書かれているので、ラングには読めないみたいだ。
「他に名前を証明する物は持っていないか? 例えば各ギルドが発行しているギルドカードとか、国が発行する本人確認証でも、名前が確認できる物ならば何でもいい」
「何も持っていません……」
この世界に来たばかりで、まだ何も持っていないヒロが即答すると、ラングは困った顔になる。
「遠い国から旅して来たといっていたが、一体どうやって国境を越えてここまで来たんだ? 普通国境は勝手に越えられず、厳重なチェックをパスしない入国できないんだぞ?」
「実は知り合いに、この国まで送って頂きまして……僕は特に何もしないまま、この国に辿り着きました。その知り合いも、もういません」
ヒロは嘘は言っていなかった。女神セレス様に、この国へ送ってもらったのだから、おおむね合っている。
「ふむ、他国の貴族なのか? 着の身着のままで旅はできんしな……その知り合いはどうした? 一緒じゃないのか?」
「その人はいま……遠い場所にいます」
「そうか、悪いことを聞いたな、気を落とすなよ」
(よし! なんか勘違いしてくれた。嘘は言ってないから問題はないはず……現に女神セレス様は天界と言う遠い場所にいるのだから)
「名前は確かめる術がないし、それでは
「できれば略称のヒロと呼んで頂ければ」
「たしかに、変態と呼ばれて気持ちの良いものではないからな……分かった。それではヒロ、改めて質問するぞ、何でツボを割ったんだ?」
「そこにツボがあったからです!」
「お前はツボを見たら、自分の物でなくても割っていいと思っているのか?」
「すみません。子供の頃からツボを見ると壊したくなる衝動に駆られてしまいまして、普段は抑えて我慢するのですが……」
子供の頃からツボ壊し続けたヒロ……その数はもはや数えきれないほどである。始まりはある国民的人気アクションRPG、『メルダの伝説』だった。
ゲーム内で主人公メルダが、フィールドに置かれたツボを攻撃して破壊することで、ゲーム内の通貨やアイテムを手に入れられる。
ヒロはメルダにハマり、ツボを壊して壊して壊してひたすら壊しまくった結果……ツボと見ると条件反射で攻撃しなければならないほど、体にツボ壊しが染み付いてしまった!
しかもタチが悪いことに……それはゲームの中だけではなく、リアルでもやってしまうほどである。
「あまりにも魅力的なツボだったので、つい魔が指してしまいました」
ラングは真面目な顔をして答えるヒロに、呆れてしまう。
「み、魅力的なツボ? おまえ何を言ってるんだ?」
「あれはもう壊されるために生まれてきたツボでした。あの素晴らしいフォルムと黄金率……人生の中でベスト3に入るツボでした。ツボも僕に、ぜひ破壊してくれと語り掛けるほどですよ!」
ラングに熱く語るヒロ……その目には狂気が宿っていた。
「ツボにも色々あるのですが、たまに魔性とも言えるツボに出会えることがあります。それは神が作り上げたと言っても過言はない、魅力に満ち溢れたツボでわ人の目を引きつける魔性の美しさは、見る者を魅了します。そんな素晴らしいツボを破壊した時の終焉の美しさといったら……もはや語ることができません! 形あるものはいつか滅びる。ツボもまた、いつかその生涯を終える時がきますが、たまにツボが破壊してくれと、僕に語りかけて来ることがあるんですよ! 『あなたの手で壊して』と……その声を聞いた時、僕はは自分を抑えられなくなってしまいます。今まで語り掛けてくれたツボは何個かありましたが、それらを破壊して際、僕の耳には『壊してくれてありがとう』と言う喜びの声が聞こえるほどです!」
「ツボが語り掛けて? おまえふざけてるのか!」
「真面目ですよ。さっき割ったツボも、僕に割られながら喜びの声を上げていました!」
ヒロが話がまったく理解できず、ラングは頭を抱えてしまう。
「喜びって……もうわかった」
「わかってくれましたか! ありがとうございます」
「いや、一時間以上掛けてわかったのは、お前がツボ対して異常な思いを持つ変態だと言う話と、これ以上話しても
ラングはヒロとの会話で、心の底から疲れ果ててしまった。もはや話すだけムダと諦めの境地に達してしまう。
「幸い、ツボの持ち主も軒先にツボを置いていると酔っ払いによく割られるから、弁償してくれれば良いといっているしな」
「そうでしたか……弁償はします。すみませんでした。ツボも、これで心おきなく天に
ツボの安らかな眠りを願いながら謝るヒロに、ラングは冷ややかな視線を送る。
「……だが、このままツボの代金と罰金を払っても釈放はできないぞ。家族の誰かに、迎えに来てもらわん とな」
「え? 僕の家族ですか? この町には今日来たばかりなので、家族は誰もいませんよ」
「う〜ん……なら、この町に知り合いはいないか? 刑にならない場合、再発防止のために家族か知り合いに迎えに来てもらわねばならないのだ」
どうやら万引と同じで、罪に問わない代わりに二度と同じ
確かに他人に注意してもらうより、家族や知り合いからされた方が、バツが悪く再犯防止の効果は高そうだ。
「知り合いですか?……ひとりいます」
「おおそうか。どこの誰だ? 迎えに来てもらうよう連絡しよう」
「この町の孤児院にいるリーシアという女性です。明日の昼に会う約束をしています」
「孤児院のリーシア……彼女か……」
「ん? リーシアを知っていますか?」
「ああ……まあ知っているといっても、噂話を聞いただけだがな」
歯切れの悪いラングに、疑問を持ちつつもヒロは話を聞く。
「とりあえず、今日留置場に入ってもらうぞ。明日の朝、孤児院のリーシアという者に連絡してやろう」
「ありがとうございます。
「その時は強制労働で罰則に沿った時間分、働いてもらう」
「それはどんな労働なんですか?」
ヒロは興味本位で強制労働の内容を聞いてみた。
「ああ、普段町の者が嫌がってやらない仕事だな……下水道の清掃とかブッチギリで不人気の仕事をやってもらう」
「やはり臭いとか汚いからですか?」
「それもあるが、下水に生息する『ンコスライム』が問題でな。あれは下水道に偶に生まれて清掃人を襲うのだが……」
「ンコスライムッて……もう名前だけで嫌な魔物ですね」
「最悪なのがその攻撃方法なんだ……顔目掛けて飛びかかり窒息死させようしてくるんだよ」
ヒロはリーシアが、絶対に迎えに来てくれる事を祈った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
と言う経緯で留置所に入れられて、はや六時間が経過していた。
留置所の中には自分以外の姿はなく、話しかける相手もいない。
暇を持て余した結果、徹夜で『アイスクライバー』をプレイしてしまった訳だ。
『アイスクライバー』とは、ウラコンで発売された可愛いキャラクターがハンマーを使って雪山を登るアクションゲームである。
山が階層状になっており、上に登るためにハンマーで氷の地面を叩き壊して登るタイムアタック型のゲームであり、最大の特徴は
実はこのゲーム……ふたり同時プレイが可能で、協力しながら山を登ったり、相手の邪魔をしながらクリアーを競うことできる、とってもお得なゲームなのである。
全32面の山が用意されており、全てのステージをクリアーすると、また1面から2周目に突入する。エンドレスで終わりがなく、何時間でも遊べるため、暇つぶしには持ってこいのゲームだった。
「さて、リーシアが来てくれるまで時間が掛かりそうだし、趣向を変えて遊ぼうかな」
すでに19周目に突入していたヒロは、心のリセットボタンを押しゲームをスタート画面に戻すとエアーコントローラーを握りなおす。
アイスクライバーは、ふたり同時の協力プレイや対戦プレイもできる一粒で二度美味しいゲームであるが、ヒロにとっては一粒で三度美味しいゲームとなっていた。
おもむろにヒロは靴を脱ぎ出し、体育座りをすると……足の指を『ワシャワシャ』動かし準備運動をする。これを怠ると、ゲームプレイ中に足を吊ってしまう為、絶対に手を抜けない……いや、足を抜けなかった!
入念な準備運動に、筋肉は解きほぐされ準備が整う。
アイスクライバーはタイムアタックが可能なゲームであり、当然一人でプレイするよりも、ふたりでプレイした方が早くクリアーできるのだ。
これは床を壊すタイムラグを、相手がカバーすることで時間を短縮できるからである。
アイスクライバーの1周当たりのクリアータイムは平均22分台、うまいプレイヤー同士が同時プレイをすれば1周19分台にまでタイムは縮まる。
だがヒロは、とある方法を用いることで、たったひとりで1周を18分台で周回するほど、タイムを縮めることに成功していた。そのとある方法というのが……手と足を同時に使ったひとり同時プレイであった。
二人同時プレイでは、どうやっても意思疎通に難があり、タイミングが合わずタイムロスが発生するのだが……これならばタイムロスは発生しない。同じ画面を見ながらプレイできるアイスクライバーだからこその、ひとり同時プレイである。
人間の手の指は十本、足の指も十本。ヒロは手と同じように足を動かせれば、ひとりで二プレイが可能になるのではないかと考え修練を重ねた。その結果……コントローラーを置きながらならば、手で操作するのと変わらない足の動きをマスターするに至った。
ふたりのキャラの動きを完全にコントロールすることで、他人との意思疎通を必要としない『ひとりで
「さあ、今日こそ最速クリアータイムを更新しますよ!」
凄まじい手捌きと足捌きで、最速クリアータイム更新を目指すヒロは、再び妄想の海へとダイブし大好きなゲームに没頭するのであった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「お、おい……おまえ、大丈夫か⁈」
最速タイムを目指してタイムアタック中のヒロの耳に、不意に男の声が聞こえて来た。その声にヒロは聞き覚えがあった……おそらく衛士のラングだろうと推測する。
だが、現在9周目に突入し自己ベストを超えられそうな勢いのいま、目をつぶったまま妄想ゲームにふけるヒロは、瞼を開ける訳にはいかない。
心のポーズボタンを押して中断することもできるが、今この勢いがなければ、クリアータイムの新記録更新は難しい。
乗るしかない……このビッグウェーブに!
ヒロはラングの声を無視して、最速クリアーを優先する! 手と足の動きは最速を極め、未だかつてない指捌きを見せている。
「もう少し! ここを駆け抜ければ、ベストタイム更新だああああぁぁぁぁぁぁぁ!」
興奮に声を上げるヒロの耳に、ふいに聞き覚えがある女性の声が聞こえてきた。
「あの……やはり知らない人でした。こんな気持ち悪い動きの人、見たことないです。人違いでしたので、帰らせてもらいますね」
その声を聞いて、思わずコントロールをミスッて死んでしまい、最速クリアーを逃すヒロ……だがそんなのお構いなしと、目を『カッ』と見開き鉄格子にかぶりつく。
鉄格子越しに踵を返し、留置所を後にセカセカと歩き出したシスター装束の後ろ姿に、ヒロは必死に声をかける。
「リーシア、待って下さい! お願いします。カムバッァク〜!」
〈ガッチリとハマッた運命の輪を、少女はなかったことにしようとした!〉
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