二人尋問

肌が痛い、今年もそう言ってしまう

気に入らぬ、そんなことなどいつものことよ

今年の夏は刃物を持っている

我ら、いつ死ぬか分からぬのに

四方八方に殺人鬼

人間じゃなければいいだろう

何をしても刺してくる

ああ、自然も人間を殺すよな

明日には赤くなっていて、

鈍い色になっていく

治すのに時間がかかる

お前の肌は色白で赤にしかならないな

かかりすぎて、たぶん、たぶん

日々を過ごすだけで痛いだろう

細胞さえも死んでしまう

とっくに体の中は瀕死だろ

毎日死んでいると言うけれど

そんなの当たり前だ、何を言う

今年は一杯死んでるんじゃないかな

さあな、それは俺にも分からない。

脳天からつま先まで

顔に首筋胴体手足

いっぱい死んでるんじゃないのかな

汗であらがう我らの体

クーラーの風が、とても痛い

肌を刺すから消しても暑苦しい

部屋がみしみしなってるし

熱さの家鳴りは破壊の音

小さい生物が涼みにくるし

それはしょうがない、あいつらは外では生きていけない

頭の中身、だけが冷えている

血液が冷めている

明日は死ぬのかと冷えている

意外に心臓は熱いのだ

熱さが心に灯っていない

熱さは外に逃げていく

頭だけが冷えている

ただの新陳代謝だ、気にするな

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