第3話 学校のドン②

 「ほら!滝原やめろって!これは僕らが悪いよ」

 「ほら、共犯の入山くんもこー言ってるわよ、今日の所は見逃しといてあげるから早く掃除しなさい!」


 「共犯」という言葉は少し蛇足な感じがしたが、風水はそう言うとスタスタと早歩きで元の掃除の場所に戻っていった。

 一安心とため息を吐いていると滝原が自分を睨みつけているのを感じた。まるでネズミをかる蛇の様だ。


 「滝原...どうかしたか?」


 滝原はゆっくりと話し出した。


 「カイトは俺の味方だと思っていたよ、好きな奴より親友を取るってなぁ」


 〔好き〕かどうか聞かれれば実は図星だ、彼女とは幼稚園からの幼馴染みで昔は一緒にお飯事で夫婦役をしたり、結婚する約束を幼いながらした様な。。したかどうかは妄想かも知れないが仲が良く好きなのは確かだ。

 だが高校生になってから風水の性格が変わってしまった。自分の下心がバレバレで嫌になったのか?それとも風水自身に何があったのかは分からない。

 けれど未だに一方的に恋心を抱いている。


 だがこの事と喧嘩で風水の方に着いたのはそんな好き嫌いは関係無く、僕らが間違っていると思ったからだ。今日の滝原は何かおかしい...

 いつもならこんな事笑い飛ばしていた。

 




 

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