日本一の狼の群れは、異世界でも群れて生き残るそうです

@HinokiKonnbu0707

第1話日本一の狼は、本物の狼になりました!?

私は、間違いなく元人間だった。


二足歩行で動いていたし、ちゃんとお箸使ってご飯食べていました。


それが、今ではどうですか。四足歩行で地を駆けて、持ち前の牙で獣を食らう。食事に血は付き物。ついにはモフモフの尻尾も付いてるんですわ。


はぁ………。なーんで私はいきなり、見知らぬ森にいて、しかも狼になってるんですかねぇーーー???






どうも、私は私立の大学に通う一般大学生だ。

名前は………プレイヤーネームがあるから良いだろう……。

自分の本名は、どうにも好きになれないからね。


さて、どうしてこんな状況になったのか。


時を遡ること一週間前(で、良いはず……。)私はゲームの世界にいた。今巷で大流行し、日本だけでなく、世界的にプレイヤー人口の多い超大人気VRMMO『異種族イレギュラーズ世界ワールド』。


このゲームに人間、詳しく言うとヒト科ヒト属ヒトという生物のアバターは存在しない。全て異形な魔物や、魔物と人間が混合した亜人種族のアバターやキャラクターのみこの世界に生きている。


このゲームで何より盛んなのが、GvG!

世界人口が多く様々なギルドがあるこのゲームでは、日夜ギルド対抗戦が行われている。

ゲーム側が決まった時間に行うGvGイベントはもちろん、いきなり対戦を申し込んで即対戦スタート!なんてこともできてしまう。


GvGもそうだが、なにより精密なバトルシステムが、よりプレイヤーを惹き付けている!

VRMMOならではのリアルな人間に近い動きが可能なので、どのMMOよりもPS、つまりプレイヤー自身のスキルがものを言うゲームなのだ!

その為、無課金者でもPSさえ磨けばいつでも前線で戦っていけるというのも、人気の理由の一つである。


私はこのゲームの日本サーバー、所謂JPサーバーの中でもダントツトップのギルドに所属しているのだ。フフフ……しかも私は、そのギルドの戦闘総指揮官の役目を与えられているのさ!

そう、あの『pack of wolves』のね!


え?そんな自慢どうでもいい?名前を教えろ?フッ、そうかそうか。ゆーて私もこのゲームでは、けっこー有名人だからね!聞いて震えおののくが良いさ!

私の名は<カウワード>!英語で書くとcoward。意味は、臆病、怖がり、小心者、意気地無し、腰抜け、弱虫、弱者………………。


え?知らない?聞いたことも無い?でしょーね!!私は戦闘『指揮官』!特攻隊長とかとは訳が違う!名前通り弱いんですぅ!前線になんて出たこと無いんですぅ!!!


そう、何故か私は、この日本でダントツトップ、オンラインの世界大会でも日の丸背負って戦うこのギルドで、ザコなのにこんな上級役職で居続けることができている変わり者なのだ。


まあ、ほとんどギルドマスターの慈悲で入れてくれてるのだと思っている。実は、私はこのゲームのリリースされた日からプレイしていて、偶々このギルドを作るってギルドマスターがSNSで宣言しているのを見た。


加入条件はたった二つ、

『1.アバターキャラの種族がWerewolfであること。

2.楽しんでプレイ、そしてコミュニケーション取ってくれる人。』

偶々自分が選んでいたアバターキャラはWerewolf、二番はもちろんそのつもり。という事で、ギルド<pack of wolves>ができた時の初期メンバーとして今の今までプレイしてきている。


そんなギルドpack of wolvesのギルドマスターの名は、泣く子も黙る日本シングルプレイヤースコアNo.1、<ゴールド>さんだ。


この人、めっちゃ面倒見良いしユーモアもあるし、絵も描けたりピアノ弾けたりとなんでもできるスペック超高めの方である。初期メンということもあってか、結構仲良くさせてもらっている。


そして……実は女性。ボイスチャットするまで私も男かと思ってたよ!多分うちのギルドに入ってない人は、ゴールドさんが男だと思っている人も数多いかも?


さて、話しを戻そう。そんな日本トップのギルド、pack of wolvesで私は、ギルドのメンバーの人達と、期間限定クエストに潜っていた。トップギルドということもあって、その時の時間は深夜2時を回っていたにも関わらず60数人はいたと思われる。


クエスト周回中、次の日のギルド対抗戦の話しをしていたんだっけかな。


「明日の対戦相手ってどこのギルドでしたっけ?」


「え~っと、たしか白の騎士団さん……でした!」


「白の騎士団ですか、守り重視のかった~いギルドなんだよね~。僕あそこと相性悪くて嫌いだなぁ~。」


「ハッ!俺らの火力なら、そんなの関係無いって!何よりうちには、カウちゃんという現代の孔明がいるんだからな!負けない負けない!」


「ハハハ!それもそうですね!じゃあ僕新しいロマンビルドの試運転してみよぉー。」


「ちょっとー!そんなに頼られても、困るってぇ~!ゴールドさんも何とか言ってやってくださいよ~!」


「クックック、そうだよみんな……!大事なことを忘れていないかい?明日は仕事がない……つまり!アタシもギルド対抗戦に出られるんだよ!」


「「「「おおおおおおおおおーーー!!!」」」」


「ギルマスがいれば百人、いや千人力ですね!」


「一気に心強くなりましたね!」


「ああ!こりゃ間違いなく勝てちまうな!」


そうそう、たしか最近忙しかったゴールドさんが久し振りにギルド対抗戦に出られるって張り切ってて、めちゃくちゃ心強いなーとか言ってたんだ。


その時だった。頭に急な激痛が走った!


「……!?ぐああああぁぁぁ!?!?!?いったあああああああ!!!!」


唐突だった。別にクエストのモンスターに不意打ち食らったとかそんなんは一切無し。ほんとに突然、頭が割れるような痛みに襲われたのだ。しかも……。


「は!?がぁ!あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!」


「いづ!?いでぇ!いでででででででででででで!!!いってぇ!!!」


他の人も同様だったらしい。しばらくその痛みは続き、私は、いや、おそらく私たちは、意識を失ったのだった。


しばらくして私は体が痒いというか、くすぐったい、そんな感触により目を覚ました。


起きたらそこは、一面緑色で、見上げるほどの植物が生い茂っていた。周りは青い空が見え隠れするくらいに成長した木々が並んでいた。


The森林である。


最初に思ったのは、なんだこれ?新手の拉致か?て感じだ。そこで違和感に気付いた。


立てない……………。


おきあがることはできる、だが、立てないのだ。一瞬立つことはできるのだが、すぐプルプル震え、バランスが保てなくなる。私は、犬や猫みたいに四足歩行でしか歩けないようになってしまっていた。


これは、明らかにおかしい!!よく見たら手も毛むくじゃらじゃん!顔も触ってみて何か違和感がある……。なんか鼻長くね?視界に鼻が見えるぞ……。て口もじゃん!


とりあえず、自分の姿を確認しなければ……!!近くに、何か、川とか、水溜まりでも良い。


と、近くから、川が流れる音がする。むむむ?なんか耳の位置もおかしくね?しかもこんな耳ってピクピク動かせたか?まあ良い、とりあえず、百聞は一見にしかず(?)だ!


そうして、近くかと思いきやまあまあ遠いところにあった川で、私は自分の姿を見た。


顔のパーツの位置などからなんとなく予想は付いていた。鋭い牙、目の上についたとんがった耳、茶色くまーるい鼻、全身濃い緑色の毛で覆われたの四足歩行、うん、これは………。





私は、ゲームをしていたら、知らない森で、狼になっていました……。



















て、おいおいおーーーーい!!!認められるかぁ!!なんでいきなり狼!I!am!狼!Wolfなんじゃあ!ん?Wolf?Wolf…………考えてみれば、この狼という動物と私、接点が無いわけでも無いな。私はゲームではWerewolf、そして今はただのWolfて二足歩行ですらねえじゃん!


いやだとしてもおかしいだろ!私はゲームして、Werewolfすらも仮初めの私だっつの!そもそもここどこだよ!なんでこんな熱帯雨林っつーかジャングルっつーか、このThe野生的な場所にいるんじゃ!こちとらマイホームでゲームしてただけだっつーの!


ハァ………ハァ………一旦落ち着け自分、落ち着けないけど落ち着け自分。


たしか、意識を失う前は私はVRMMOをしていたはず。だから、目を覚ました時もVRゴーグルを外す動作をしたわけですよ。


それが、あれ?おっかしいーなー?ゴーグルどころか私のツルツルお肌すら無いではありませんかー???


つまり、これは現実……VRゴーグル頭にがっちり固定されてるとかそんなアホなこともない。あったら感触はあるし。


とりあえず、叫びたいことは叫んだ。けど、そんな私の叫び声も犬の遠吠えみたく、ワオーンとしか聞こえず……。


今までのことを鑑みるに…………これって今流行り、いや、若干またかって感じもある、VR異世界転移ってやつか……?それとも痛みあったし転生……?


こうやって主人公が、よく分からんとこで目を覚まして、自分の姿見て、誰やお前は!っていう、お決まりのパターン、まさに今の私じゃん!!!そんなアホなオタク知識で、私はようやくここが異世界だと割りきることができた。


そうなるとだ、まあまあ落ちつきたまえ皆まで言うな。普通こういうストーリーだと、別の世界でめっちゃカッコいい魔族になって人類滅ぼすー!とか、勇者の生まれ変わりとか子孫とかで、魔王討伐ー!てやつだと思うじゃん?


それが今の私を見てみんしゃい。フサフサモフモフの毛で全身覆われていて、足にはそれぞれ鋭い爪、口には鋭い牙、頭というか目の上というか、そこにはよく聞こえるお耳があるわけでして。まあ紛れもなく狼なんですわ。


んだよこれ!罰ゲームかぁ!?別に私前世では極悪人とかそんなんでも無かっただろうが!むしろいつもみんなに優しいほんわかカウさんだったわ!

私は訳がわからなすぎて、思わずモフモフの尻尾で地面をペチペチ叩きながら、その短い前足で頭を抱える。


端から見たらかわいいんだろうけど今はそんな状況じゃねえ!

映え~♪とか言いながら自撮りできるスマホさえねえんだよ!


状況もよく分からず、そんな現実に腹を立てていると………。


ぐうううううぅぅぅぅぅ………。


あ………。まあまあでかい、空腹を知らせるお腹の音が鳴った。誰もいないけどちょっと恥ずかしい。けど、こんなでかい音出るくらい腹減ってたのか。


うーむ、とりあえず何か食べれそうな物……こういう時って川とかで魚を取ったり木に実っている果物とかで飢えをしのぐもんだけど……私今狼だしなぁ。釣竿も作れなければ川で魚を直で捕まえる技術なんてあるわけ無い。四足歩行のせいで木に登ることができるかどうかも危うい。


となると……だ。もうひとつの選択肢としては、狩りをして肉を取ること。最悪、味はしんどくても狼だから動物の肉を生で丸かじりしても生き残ることはできそうだな。よし、それでいこう。


そう思い私は、あてもなく森をさまよった。失う体力を最小限に抑える為に、ゆっくり、ゆっくりと、それでも歩みは止めない。生きる為に。ここが現実なのか、夢の世界なのかは分からない。


けど、こんなにリアルでハッキリとした世界で、ズルズル力が抜けていって、そのまま餓死する体験するなんて真っ平ごめんだ。


だから私はあまり考えず、ただ生き物を自分が生きる糧を求めてさまよった。



















歩き続けて一時間と少し経った頃だろうか?まあまあ広い場所に出た。あまり木々も茂っておらず、見通しが良い。もしかしたら、ここから一匹や二匹、見える範囲に動物いるんじゃね?


そう思い、私は辺りを見回す。……………?あれ?ぜんっぜんいない。つーかそうだよ、なんで私今まで気付かなかった!そもそもおかしいわ!こんな広い森、たーくさんの自然!生物をあまり見かけないって方がおかしいじゃん!!!


ずっと歩いて一時間と少々、小さい虫や、空を飛ぶ鳥は見かけたけどそれだけ。キツネとかタヌキとか、ちっちゃい動物なんかは一体も見かけることは無かった。どゆこと?どういう生態系?

てかこれじゃあ私の食糧いないじゃん!そっちの方が大問題だよ!


そんな異様なほどに危険という危険がない状況が、私を油断させたのだろう……。


そんなことを、その広いエリアで考えていた。

その時だった!ん………?なんか、視線を感じる。後ろからだな……。ゆっくり振り返る。


木々の影のせいか、昼間だというのに薄暗く、その姿はハッキリ見えない。けど、暗闇からこちらを見るその赤い視線は、徐々にこちらに近づき姿を見せた。


大きさで言えば、私の二倍くらい……?ちょっとスマートで大きいトラかな……?


て、うえぇぇ!?トラぁ!?ムリムリムリムリムリ、トラ!That is tiger!?こんなちびっこの狼、しかもお腹減ってフラフラ状態なのに!こんなおっかない相手無理だっつーの!!!


逃げよう、今すぐ逃げようそうしよう。幸いトラは、こちらを警戒して近づいて来ない。このまま、弱さを見せず、逃げたと思わせず、相手を睨んだままゆっくり、充分距離を取って…………逃げ……!?!?!?


充分距離を取り、走れば何とか撒けそうなくらいの距離で振り返り、私は駆け出そうとした。だが、私の背後には、おんなじ種類のトラがもう一体……いや、二?三?四!?どんどん増えていく。最終的には十体くらいに囲まれてる。


どうする……?これ逃げ場無いじゃん……。今にでもトラは攻撃してきそうだし……。絶体絶命なんすけど。初めて味わうリアルな死の恐怖に、私の身体が震える。


助けてよぉ!誰かぁ!………いや、こんな時、都合よく誰か来るなんてこと無い。そうだ、現実はいつだってそう。私が何かやらかしたとしても、見て見ぬふり。関わろうとなんてしない。ゲームみたいにやり直しもきかない。


考えろ、思い出せ、私には何がある!私には……………日本一のギルドで鍛え上げた、戦闘知識がある!戦い方を考えるには状況を見直そう!

今の状況は敵がトラ十体、私を囲む様にして立っている。


場所は見晴らしの良いエリア、だが駆け出せば数秒でまた森に入り込める。


私の状態は、空腹。走っても長持ちしないだろう。だが、まだ動ける!


ここから私が生き残る方法を探せ!


その1!無理やり逃げる!適当に一体に攻撃!そこで空いた隙間から一気にダッシュ!


これはさすがに無理だな。却下。

その2!対話を試みる。獣同士だしワンチャン言葉は通じる。だが難点は、これが初挑戦ということ。下手にワンワンとか吠える感じで、相手には通じたりしなかったら、下手くそな威嚇とかに感じ取られて即一斉攻撃!とかになりそうで怖い。却下かな。


その3!不意をつく!若干1に近いがこっちは相手の動きを見るんだ!あっちから攻撃してくれば、なんとか避けることはできなくはない!……はず。少し楽観的過ぎるか?相手がどれだけ速い攻撃繰り出すのかはわからない。

けど、この絶体絶命状態じゃ他に良い方法も無いのは事実。


様子見しつつ避けて、その隙に逃げよう!攻撃するか、せずに避けるかじゃあ、生存率の高さ的に避ける方が体力気にせず動けるのは間違いない!


てことで、私は身構える。どの方向から攻撃が来ても良いように、狼の五感研ぎ澄まし全方位を警戒する。こんな時、ギルマスのゴールドさんの言葉を思い出す。


『カウ、もし集団戦で一人取り残されて囲まれた状況に追い込まれた時。そんとき一番警戒するのは、初撃を打つ相手だ。初撃に釣られ、他の奴らも逃がすかと言わんばかりにどんどん攻撃してくる。初撃とだ。つまり、全力で初撃を警戒し、それさえ避ければ、テキトーに全方位魔法撃ちじゃあ!とかされない限りは大抵避けられるわけさ。そこから生じた隙を付いて、なんとか逃げるのが、賢い戦闘の仕方だよ。』


初撃とほぼ同じ方向………それさえ避ければ道は開ける!研ぎ澄ませ……警戒を怠るな……奴らのほんの数ミリ動きでも感じ取れ、コンマ数秒後、私は死んでるかもしれないんだぞ……!


そうして、全力で様子見をして数十秒経った時だった。ついに、一体のトラが仕掛けてきた!




すぐ右のトラが、鋭い爪を振り下ろす!




それに釣られたのだろう、他のトラも釣られておんなじ方向に、爪を振り下ろす!




それを見切っていた私は、一番最初に動いたトラの振り下ろした腕の横をすり抜け全力疾走!




どうやらトラは、獲物を仕留めていないことをまだ理解していないようでキョトンとした様子だった。




しゃあ!いける!やっぱ所詮野生の動物!人間様の知恵にはかなわないっつーことですよ!



命の危険でハイにでもなっていたのだろう。


心の中で高笑いでも決めようかとしたその時だった。


一体のトラが私の尻尾を前足で踏みつけ押さえ込んだ。



うげえええええ!!



その力で私は自分の走った勢いとトラに踏まれた尻尾で綱引き状態。痛いのなんのって。


いやいやいやいや、おかしいじゃん!なんであんなにトロかったトラくんそんな神がかった反射神経で私の尻尾押さえられるわけ!?そう思ったのも束の間、すぐに答えは出た。


こいつ、毛が他のトラより黒い……それに体格も他のより気持ちガッシリしてる………?


そうだ、きっとこいつは他のトラの進化個体。親玉だ。

つまり、他のトラより強いってこと!はい、身動き取れないままでまた囲まれました!The End!確実に!もう無理だぁーー!死んだこれぇー!


じゃねえだろカウワード!お前はどういうやつだ!いつも絶望的状況を、的確な戦略でひっくり返す戦闘指揮官だろうが!



考えろ……この絶体絶命を乗り越える、孔明も目から鱗の打開策!


考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ!!!


しかし、そんなアニメマンガみたいにそう都合良く良い案が出ることは無かった。


長考する私の首元目掛けて振り下ろされるトラの爪。


もうさすがにダメか……………?


そう思い私は目を瞑る。


しかし……トラの爪が私の首に届くことはなかった。


すると、トラの叫ぶ声が聞こえてきた。けど、その声は、決して威嚇みたいなガオオオォォォーーー!!!とかじゃない。なんか……こう……死ぬ前の断末魔的な、ぎゃあぁおおぉぉ!!みたいな?


何事かと恐る恐る目を開ける私……。すると、私の首に振り下ろされていたトラの爪は、腕ごと宙に舞っていた。



そして、その奥には、十体のトラ相手に、戦闘とは言えない程に蹂躙し尽くす、金色の毛並みをした狼がいた……。

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