らじお第二回

「財布を落とした時、一緒に探してくれるのが奏。サラッと見つけてくるのが結愛。大丈夫、私がお金出すから。と言うのが志保」

「急にどうしたの? 志保さん」

「あー。奏ちゃん。もう収録始まっているよ。ちなみに今のは、私たち三人の性格を簡単に例えると、という作者さんのメモを読んだのだよ」

「始まってるのね。それじゃあ、始めて行きましょう。第一回同様、本編に一切影響を与えません。らじお第二回、スタート」



 「質問コーナーはスキップだね。やはは」

「さらっと司会の権利を持っていくね」

「次は私の√になるし。ところで結愛ちゃんは?」

「次回のラジオは、志保さんと結愛さんだよ」

「おー。楽しみ。えっ、次回あるの?」

「ストーリー書くまでの時間稼ぎだって」

「普通に書きなよ。これ書いている時間に」

「こっちは何も考えずに書けるから、頭の体操というか、そういうのに丁度良いんだって」

「へー」

「それで、今回は、さっき志保さんが言っていた事?」

「そうそう。それも含めて、もう少しみんなのこと紹介していきたいなぁって。まずは史郎かな」

「史郎君はカッコいいと思う」

「史郎といると落ち着く。かな」

「へぇ」

「ふーん。確かにカッコいい所あるよね」

「確かに、史郎君といると安心感あるよね」


「おっと、紹介紹介。話が逸れるところだったね。九重史郎君。私の幼馴染。隣に家に住んでいる。放課後は妹たち共々一緒に遊んでたんだよねぇ。あの頃から放っておくと一人でいたんだよねぇ。小学校高学年に入った辺りから訓練を始めたせいか、ちょっとずつ疎遠になったし」


「今の奏ちゃんによる全力お世話体制は?」

「史郎君が熱で休んでたんだけど、親もいなくて自分で治療していたのを発見した時からかな」

「本編でも言ってたね」


「その頃から、放っておけないなぁ、なんて。でもね、史郎君が頼りになることを見せつけられることも結構あったんだよ」


「どんなことがあったの?」

「そうだねぇ、花音に空手のお稽古、というか、戦い方を教えてあげてたり」

「? なんで?」


「花音、小学生の頃から空手やってて、有り余る体力で暴れる時期があって。史郎君が家で夕飯を食べる日が増えてきた辺りに、花音が暴れだしたのを、史郎君が軽くいなして取り押さえて。それに花音が感動しちゃった。という」


「へぇ。花音ちゃんが空手の大会で結果出せているのも?」


「関係あると思うよ。史郎君が面倒みるようになってから、花音落ち着いたし。最初の頃は自分から稽古、というか喧嘩を売りにいって、終わったらしばらく動けなくなるくらいしごかれていたみたいだし」


「史郎を好きになったきっかけとか聞きたいな。正直、奏ちゃんって、料理上手で家事ができて、勉強できて、可愛くて胸大きくて、何というか、男の人の理想の詰め合わせみたいな感じじゃん」


「そこまで褒められると、照れるね。でも志保さんだって、スタイル良いじゃん。理想じゃん。身長が羨ましい」

「やはは。まぁ、自分が美人なのはわかってるよ」

「そこが良いところだよね。志保さんの」

「そう?」

「うん。謙遜されると変な気分になるもん。志保さんがまだまだなら、私は何なんだって」

「やはは。奏ちゃんは、可愛いから。それで、史郎君を好きになったきっかけは? やっぱり、例の夏休み?」

「ううん。あの頃には、もう好きになってた」

「へぇ」


「でも、明確に、完全に意識し始めたのはそれからというのは、間違いないよ。そこら辺の詳しい話は、まぁ、またいずれかな」


「そうだね。番外編でやる話じゃないね」

「……過去編っている?」

「どうだろ、一応、私と奏ちゃんは面識自体はあるけど、ここまで話したりしたこと無かったよね」

「お互い別世界の人というか」

「たまに奏ちゃんの目が怖かった」

「えー」

「やるとしたらどんな話かな?」


「んー。夏休みの事件と、史郎君が志保さん落とすまでの話? ただ、志保さんと出会うまでの史郎君って、とにかく暗いんだよね。今はかなり良くなったけど」


「へー」

「暗いけど、優しくて頼りになる人。中学でそれを知ってたの、私だけだったんだから。あっ、志保さんもか」

「おー。奏ちゃんの史郎を好きになった理由って奴が段々見えてきたぞ」

「さてさて、そろそろ終わりますか」


「だね。そうそう。こっちのメモも読み上げないと。『らじお第一回で、あと、三、四話で終わると言ったのに、気がつけば奏√の二倍近くの分量になったことをお詫び? というのも変だけど予想以上の分量になってしまいました。』だって」


「私のアフター期待できますなぁ。何を考えて、あと四話以内で終わると思ったのだか」

「丁度直前の話。デート回を用意している最中に、結愛ちゃんの誕生日を思い出したという」

「なるほどねぇ。イチャイチャラブラブ甘々な私の√after。早く用意してくれないかなぁ」

「その前に私の√、どれくらいの分量になるかな」

「さぁ」

「分岐ポイントは? どこになるんだろ」

「あの事件に対する立ち回りが少し変わるんじゃないかな?」

「なるほど。やはは。史郎とパーティーは楽しみかも。いつも退屈なんだよねぇ」

「私、あの辺の話になると、殆ど関われないからなぁ」

「その分、二人で旅行に行ってたじゃん」

「私たちがいない間、クリスマスパーティーってどんな風に警備してたの?」

「渋谷さんが老練の体術でナイフ術の男と互角の戦いを繰り広げて撤退に追い込みました」

「あの人も大概化け物だね」

「老いを言い訳にしたくないですが、恐ろしいものですね。って言ってたよ」

「へー」

「その後、ホテル襲撃に参加したみたいで、奏ちゃんパワーで大幅強化された史郎君と戦ったよ。……『生きようとする意志は、何よりも強い。』か」

「どうかした?」

「んー。前読んだ漫画の台詞。納得だなぁって」

「へー。良い言葉。あっ、終わりますって言ってから普通に結構話しちゃったね」

「おっと。それじゃあ、次回、結愛√エピローグ。お相手は朝倉志保と」

「また、らじお回やるかも。久遠奏でした」


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