陰キャの俺が気づいたら学校の『高嶺の花』を落としてしまったようです。

観鯨タル

プロローグ

はっきり言おう。俺は『陰キャ』に誇りを持っている。

 

 好きな物を好きと言って何が悪い? 確かに、色々と馬鹿にされることはあるけど、それはこっちだって同じ。ただ、口に出しているか、出していないか。仲間がいるか、いないかだけ。それが『陰』と『陽』のタイプの違いだと、俺はそう認識している。

 

 俺は、アニメやラノベ、勿論ゲームも好きである。放課後には勿論、休日もほとんど家にいるか、たまに本を求めて出かけるくらいである。―― 一人で。


 そんな『陰キャ』である俺が、これからこの物語を綴っていくのだけど……うん、やっぱりきっかけは〈あの日〉だと思う。〈あの日〉から俺の世界が、がらっと変わってしまった。今まではのんびりした高校生活を望んでいたはずなのに、今となればそれがとても心地よくて、暖かくて………そして愛おしい。

 

 

 そんな俺のすべてを変えてしまった〈あの日〉は、空が少し、元気のない日だった。

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