昔の話(嘘)

昔の話(嘘)

子供のころは空ばかり見て過ごしていました

なぜでしょう

お空を見ていると家が貧しいこととかどうしよもない寂しさがうっすら消えるような気がしてくるのです。特に曇り空が好きで、天気予報なんかで今日が一日曇り空だと知ると、心うきうきして、早くお空が見たい、早く学校終われ、とそわそわしているのでした。

晴れの日はダメでした。

いくら空を眺めていても、胸の中にある黒いもやもやした感情は消えてくれせん。消えるどころか、より一層強くなって子供ながらに憂鬱になって生気なく佇んでいるのでした。太陽が光っていれば光っているほど私の悲しみは影のようにじわじわ伸びていきました。

なので、太陽が嫌いでした。