【オンライン】343話:採掘と鉱山の拠点設置②
出かける前にボウガさん達には、ある程度の説明とパニアを連れて行く旨を伝えた。
今はただ道作りと、単純作業の繰り返しだから問題ないと言って、パニアに思いっきり楽しんで来いという感じで快く送り出してくれた。
前回に行った時と同様に、特殊な馬車を用いて馬達も前回と一緒の子達で向かう。
〈パニア、今から向かう道中にさ、道を伸ばそうと思うんだけど〉
「ふム、では土を盛り上ゲテてススムから、少しゆっくりと移動してホシイ」
なるほどね、それならばゴーレムを一々生み出したりしないで、自分達が進むだけで道が引けるな。パニア以外だと魔力が切れちゃいそうだ。
〈それじゃあ、ゆっくり行こうか〉
僕の声に反応して小さく鳴きながら、お馬さん達がゆっくりと歩き出した。
「デコボコしている道はどうするの?」
〈大きすぎるのは橋を架ける感じかな、小さいのは埋めちゃった方が良いと思う。パニアの感覚で良いから、埋めた方が良い穴と、橋を架けた方が良い部分は勝手に決めて良いよ〉
「了承した」
鉱山までの道が物凄く悪いのは前回来た時に見ている、だからシュネーが気になっている部分はもう既に考えていた事を伝える。
「ウサギちゃん達や、ゴーレムちゃん達の力を借りればすぐに終わりそうね」
「前に道を作る時にもパニアに大まかな線を引いてもらった方が早かったかもな」
「良く言うよ、ボクが殆どやってたんだからね」
シュネーは少しだけ頬を膨らませて、ティフォの近くに寄っていってウザ絡みしている。
あの時は僕もティフォも、シュネーに任せてお喋りをしていた時間の方が長かったかもしれない、その辺はちょっと反省だね。
「わ、悪かったって。今度なんか手伝ってやるからさ」
「ふ~ん、まぁそれなら良いけどね」
〈今は僕が働いてるんだけど、パニアもね〉
「仕方ないでござるよ。その馬達は拙者達の言うことを聞いてくれないんだな」
馬車に繋ぐにしても、勧めと命じるにしても僕の言う事しか聞いてくれないのだ。
「凄いですよね、撫でてあげるだけで嬉しそうに言う事を聞いてくれるんですもん。私だって騎獣のスキルは持っているのに、全くダメダメでした」
むしろフー先輩はレベルが弱すぎるからか、馬達よりも下だと思われている感じだった。
手綱で言う事を聞かせようとするより、僕は彼等に直接乗ってしまって、首筋辺りを撫でながら、お願いした方が上機嫌になって、更に自らサービスを提供してくれる。
道中で出会った雑魚敵なんかも、一瞬でお馬さん達が倒してしまう。
ちょっと交通事故っぽい感じで、敵をものともしないで突き進んでいく。
お馬さんと言っても魔物なので、魔法の攻撃だって出来てしまう。知力が高い事は僕等の言葉を理解している時点でお察しだろう。
遠くに居る敵は氷の刃を飛ばして倒し、近くに居るのはもう一匹に魔術で炎の壁を展開させ、近付けさせない。怯んだところをパニアが地面から土の槍を出して倒してしまう。
「便利な乗り物ね。デコボコの道を平然と進んで行くなんて。それに頼もしいガードも付いているから、進むのも楽々ね」
ケリアさんが惚れ惚れしながら、馬達を見ている。
「本来ならもっと面倒な道のりなのでござるがな」
「この辺の地面ってさ、すぐに泥濘になりそうだけど? 大丈夫なのかな」
〈道を作る時には、その辺の工夫を考えとかないとダメかもね〉
道を敷く時には木の板か、砂利道にして水捌けの工夫もしていかないと、不味いかもしれない。僕等の馬車は特製だから良いけど、普通の人達も行き来が出来ないと意味がない。
関所って訳じゃあないけど、拠点は点々と作って置いた方が良さそうだ。
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