【オンライン】344話:採掘と鉱山の拠点設置③
鉱山とズナミ村の中間辺りに、広くて見晴らしの良い場所があったので、そこに第一拠点を建てる事にした。馬車に積んでいた荷物を下ろして、パニアに手伝ってもらいながら簡単な小屋を建てた後に、小さな祠も近くに置いておく。
これをファーマーポイントで買っておいた一万ポイントもかかるアイテム。結界陣のクリスタルと言うモノを使用して、拠点として機能させた。
〈意外と感覚で分かるモノなだね〉
「ピリピリしている感じがすっかりなくなったわ。やっぱり町中や安全場所の方が良いですね。妙に肌がピリッとした感覚があって、気が休まりません」
僕等はちょいちょいティフォ達と出かけたり、ズナミとのイベントで追い回された経験から、アレに慣れてしまったからもう分からない感覚をフー先輩は感じているようだ。
「それは経験の差で起きる現象だね。フー先輩って冒険したことないもんな」
「えぇ、初めてはティー君とって決めてましたからね」
僕をけん制するみたいに、態々間に入ってこなくて良いのにな……あれ? そう言えば、なんでいっつもティフォとの間に入られるんだろう。
「ほ~ら、スノーちゃんはこっちで少しお茶でもしよう」
「ニンフィ、おいで?」
「お菓子もあるよ~」
「え、どれどれ、ボクも食べたい⁉」
ふと疑問に思った次の瞬間にはスズメちゃん達が僕の事を囲い始めていた。
葉月ちゃんはニンフィが気に入ったのか、暇があったら撫でたり一緒に遊んでくれたりしているので、ニンフィも嬉しそうに懐いてしまっている。
〈パニア、どれくらいで完成しそう?〉
「そうダナ……半日もあればジュウブンだろう」
ゲーム内時間の事だから、そんなに時間は掛らないようだ。
馬車による疲労を回復するには丁度良い時間かもしれない。
「そうだ、良いモノがあるのよ。ミカちゃんと店長達と話し合ってね、鍛冶屋さんに頼んでバーベキューセットを作ったの。試作品だし、ここに設置して行きましょう」
「近場の魔物でお肉を手に入れる事も出来そうでござるしな」
「主よ、解体用のコヤもツクッテおくか?」
〈そうだね、お願いするよ。時間は……変わらないかな?〉
「モンダイない、シュウイから見えなくスルのと、換気のヨイものをツクルだけだ」
相変わらずパニアは優秀な子だ。建築関係を手伝っていた御蔭なのか、あっという間に色々なモノを作り出せてしまう。
〈ねぇ、本来なら拠点設置ってどれくらいかかるのかな?〉
「そうでござるな~、設置している間は守る必要があるので結界の台座が出来るまでは、二、三日くらいは寝ずの番が続くんだな」
「台座に魔法陣を掘ったり、魔力を込めたりしないといけないからねぇ。パニアちゃんが一瞬で台座を出したのには、流石の私も、ちょ~っと驚いちゃったわよ」
ケリアさんが笑いながら言うが、かなり凄い事をしているらしい。
〈パニア……何時の間に覚えたの?〉
「町に台座をツクッテくれたモノに、イロイロと教えられたのだ。ユウイギな時間だった。カワリにゴーレムのイッタイを貸し出してやったら、スゴク喜んでいたぞ」
「流石、モンスターが大好きな学者さんだけあるね」
イーゴさんにもその内にお返しをしないとって思ってたけれど、あの人にはモンスターの事を好き勝手に調べる事を許可してあげるだけでも、良いのかもしれない。
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