【オンライン】337話:町の様子と変わりよう②
二階は主にアイテム雑貨といった感じモノが多かった。ただ、気になったのはプレイヤー達にとっては、あんまり必要とされていない素材アイテムが数多く並べられている。
「やぁ、下が騒がしかったと思ったら、なるほどね。君達が来ていたのか」
露店大将が爽やかに挨拶をしてくれる。
〈ここは、アイテム雑貨のお店ですよね?〉
「そうだね。基本的にはNPC達向けのアイテムが多く置かれてるんだ」
「それって意味あるの? プレイヤーさん達向けには売らないの?」
「いいや、売ってるさ。ただね、中央都市にある競売所の方を使う傾向が多いからな。お店をやるなら、ある程度は住民向けのアイテムを扱ってないと、お金は溜まらないね。実際に多く稼げるのは、住民達の方がお金は落としてくれる」
逆にプレイヤーは自分達に必要なアイテムしか買わない。買っても回復系のアイテムや料理などが殆どだ。未発見の大地を冒険する彼等には、収納スペースも大事なので、大きなモノをあんまり持っていきたがらないというのもある、他に売れるとしたら装備類だ。
「他は松明やらランタン、MP回復系のアイテムだったり、トラップ解除のツールぐらい?」
「よく勉強してるじゃないか、先々の都市国家だってグランスコートは友好国だが、他では敵地みたいなもんだからな、何とか攻略しようと躍起になってるんだよ」
「未発見の大地ってのはな、手前のステージで少なくとも一体、ボスモンスターを討伐しないと先に進めない場所が殆どなんだよ」
〈そうなの? でも都市国家とかは?〉
「そこで君達ファーマーが必要になってくるんだ」
僕等が拠点を作っていったり。都市国家と友好を結ぶ、もしくは自らの領土とすれば、謎解きや道探し、ボスを倒すなんて事をしなくっても先へと進んで行けるようになるらしい。
「あれ? じゃあなんでファーマー少ないのさ?」
「元々は何人か居たんだぞ、居なくなっていっただけでな。冒険している方が楽しいし、面倒な事も少ないからな。正直、スノーちゃん達が異常としか言いようがないな。人心の掌握なんて誰でも出来ると思うなって話だよ」
〈僕等の場合は周りの人達に助けられてるだけですよ〉
ティフォにガウ、ケリアさんにダイチお爺ちゃん達。ボウガさんやエーコーさん達と仲良く慣れなかったら。此処までの発展もしなかっただろうな。
「はぁ。俺の言いたい事を半分も理解してなさそうだが、下の連中が君達が来てくれて舞い上がっちまったようだがな。それだけ感謝してる奴等が多く居る事だけは覚えといてくれよ。此処で店を出せた俺達も含めてな」
なんか物凄く照れるな。こうして面と向かって言われる事も無かったし。
下の食堂に居た人達のテンションが妙に高かったのは、そういう理由か。
「それでさ、この上ってなにがあるんだ? 大将達のお店なんだろう?」
「あぁ、ただの事務所だよ。特に何も無いさ(君らの見守り隊本拠とは流石に言えねぇ)」
ティフォの問いにすぐ答えてくれたのだが、何か分からないが妙な違和感を感じた。
ただ別に敵意がある感じでもない。
僕等を陥れるとかって雰囲気でも無いから気にしなくても良いだろう。
〈あぁ、アイテムの売り方ってやっぱり他の場所と同じですか?〉
「ん? そうだな。ケースの中に入れてるな」
さっきまでケリアさんと話していた内容を説明して、協力してもらえるようお願いして見たら、二つ返事で了承して貰えた。
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