【オンライン】320話:特殊な施設
怒涛のイベントラッシュのせいで、グランスコートの発展にも大なり小なり影響があって、少しだけごちゃっとした町の並びになってしまっている。
ある程度の区画は分けて作ってきたが、イベントなんかで使ってしまっていた場所には妙なスペースが空いてしまっていた。
〈気になり始めると、物凄く気持ち悪い感じになってしまう〉
「凝り性だね~。まぁパッと見で綺麗な街並みだと気持ち良いっていうのは分かるけど」
シュネーは何時もの定位置である僕の頭上で寛ぎながら言う。
そんなお気楽な彼女を小馬鹿にする様に小さく息を吐いた人物が居た。
「まだまだお子ちゃまだなシュネー。そんなんじゃあスノーの補佐としては駄目ダメだ」
揶揄いながらいうティフォに釣られて、シュネーがすぐに飛んでいってしまった。
二人がじゃれ合っている間に、ガウがホームに帰還しいてきた。
「スノー姫に言われた通りに見てきたでござるが……予想通りだったんだな。まだ、そんなに状況は悪くなってない様子ではあったでござるが、このまま放置しておくと良く無い者達のたまり場になる可能性があるんだな」
下手に点在すると、町の治安にも関わってくる。
ちゃんと裏の事を牛耳ってくれる人が居てくれるなら問題は無いのだけれど、残念ながら今の僕達には、信頼に足る裏で力を握れる人など知り合いにすら居ない。
〈事情を話して、住人達には協力してもらうしかないね〉
「金銭面はこっちで負担しなければなりませんよ」
〈そこはパニア達に手伝って貰うよ。ボウガさん達だって説明すれば分かってくれると思うしね。住民も手伝ってくれそうではあるしね〉
自分達に直接関係する事なんだから、あんまり揉める事にもならないだろう。
「では、私の方から通達しておきます」
〈広さが丁度良い感じの立地は、公園にした方が良いかな?〉
空き地があるからって放っておくと、変な人達の溜まり場になる事もあるみたいだし。
「この際ですし、特殊施設の設置でも考えてみたらどうだ?」
前回のイベントで分かった事だけど、サーカステントの様に建てるモノによっては、周囲に特別な効果を及ぼす建物があるという事が分かった。
娯楽施設なんかは、住民達の満足度に繋がるし、種族別で区画を分けていたりする中間に立てると、お互いの関係性を緩和してくれることが判明した。
「神社なんかの施設も気になる所でござるな」
「建てる時のポイントが高い分の効果はあるって事なんだろうが、どういう効果があるかは自分で調べないとならないのが辛いな」
「仕方ないんじゃない? あんまり建ててる人ってまだ居ないんでしょう?」
〈コストが掛かるからね、正直、初めの方から建てる人は居ないんじゃないかな〉
自分で建ててみるまでは建物の効果が分からないんだから手を出す人の方が少ないんだろうね。
「神社なんだから、清めるとか鎮める的な感じなんじゃないか?」
〈でもさ、ミスユ団長に管理して欲しくない? 千本鳥居とか建ててさ〉
「商人には喜ばれそうだね」
「絶対に商人プレイヤーは歓喜するんだな」
ふとおもった。
神社だけだと、効果を発揮しないから今まで建ててもオブジェ的な感じで扱われていた可能性ってあるのだろうか。
〈神社ってさ、神様を祀るじゃん〉
「そりゃあな」
〈でもさ、神社の建物だけ建てても意味が無いんじゃない? 誰かを住まわせる、或いは祀るか何かをしないと効能が発揮されないとかってない?〉
建ててもコストが高いだけの建物として見られている、何てことになっているんじゃあないだろうかと、勝手な推察なんだけど。
「ミカ嬢に調べてもらうでござるかな。可能性は、確かにあるんだな」
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