【オンライン】207話:新しい開拓地(6)
木材を多めに買ってボウガさん指導の下で鬼達には建築を頑張ってもらおうかな。
後は植林をして貰って、ジャンシーズが滅茶苦茶にした所を鬼達に担当して貰えば、森からの評判も段々と良くなっていくだろう。
住宅地の範囲をシュネーとガウの二人に相談しながら、線を引いていく。
ズナミよりも小柄だけど、筋肉質な体をしている鬼達にも話を聞いて、広さも決める。
大きな体だから普通の人間の家よりも広めにした方が良いらしい。
イベント時に作った基地では窮屈だったという。
一人でも入れば後がつっかえたり、出る時には頭をぶつけたりしたらしい。
最終的には入り口を大きくして、家の中の仕切りを全て取っ払ったと言う。
そのせいで肝心の柱が無くって、脆い建物になっていて無理やり支えを作って外見だけ良くしたという裏話まで聞けた。
あの拠点は作りはしっかりして見えたが、色々とハリボテだったらしい。
「あら早くに決めましたね、もうちょっと時間が掛かるかと思ってました」
僕等と違い、カミルさんは目印になる旗を突き刺して、水の通り道になる場所を決めてくれていた。青い旗が一定間隔に置かれているのが少しだけ確認できた。
〈鬼達に植林をして貰おうと思ってるんですけど、エーコーさんに伝えて貰えますか?〉
「良いですよ、しかし、鬼達に植林ですか……もしかして、荒れ果てた部分を再生させるきですか? それなら確かに鬼達が適任です」
こっちが全て言わなくても把握してくれる、やはり有能……調子に乗らなければ。
〈はい、お願いします〉
「コレで上手くいけば、木材の確保も何とかなりそうなんだな」
「でもさ、木ってそんなにすぐ育たないんじゃない?」
確かに、リアルだったら使えるようになるまで何十年と立たなければならない。
「その点はご安心を、鉱山に居るだろう骨のモンスターを倒せば手に入るモノで何とかなりますから、採掘している時に倒しまくってくれれば、きっと勝手に持ってきてくれますよ」
鬼達ならそのモンスターを乱獲できるような良いようだけど、やっぱり強いのかな。
「スケルトンは打撃に弱いのでござるよ。だから鬼達とは相性が良いんだな」
僕の考えを読んでか、ガウが補足説明をしてくれた。
「骨が生きてるの?」
シュネーが良く解らないと首を傾げながら、ガウに聞く。
「生きてるでござる。まぁ魔法生物のスライムに似た感じのモノと思ってくれたら良いんだな。正確には違うのでござるが……アンデット系のモンスターは色々と設定やら生態やらあって説明が面倒なんだな」
ホラー系のモンスターって、ティフォは絶対に行きたがらないな。
樹一のヤツは幽霊の類が苦手だしね。
洞窟内だからナメクジみたいなのも居そう。
「へぇ~面白そうだね」
〈僕等じゃあすぐにやられちゃうよ。何か対策をしてかないと、アクティブ系のモンスターみたいだし、護衛はしっかり連れてかないとね〉
「う、分かってるよ。未だにウサギさん達に1勝もしたことないボク等だし」
今後に鉱石類や石材を取りに行くかもしれないから、対策はしっかり考えておかないと。今でもウサギさん達で痛い目をみているのだから。
未だに0勝なんだからね僕達。
ニンジンブレードは食べられるし、一本取ろうと思っても返り討ちにあうし。
戦闘に関しては本当にダメダメだ。ちなみに、剣を貸してもらったのだが素振りをしようとしたら、重さに負けてそのまま後ろに倒れてしまった事もある。
材料の丸太とかは簡単にインベントリに入れて、軽々と移動が出来るというのにね。
素材系のアイテムだったら総重量はかなり重いはずなのに、なんで剣は上手く振れないのだろう。きっと違いがあるはずだ。
まさか此処まで戦闘に関しては不向きと思わなかったな。
絶対にファーマーは戦闘になるとマイナスのデバフでも掛かっていそうだ。
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