【オン79】イベント騒ぎは大騒ぎ
「それはコットンってモンスターの卵だよ」
「コットンって、初めて聞く名前」
「日本で言う綿花って事かしら? でも葉っぱや花は蓮にしか見えないのよね」
今もまだ大きくなっていっている花に驚きながらも、皆で見守りながら眺めているだけしか出来ない。
泉の中央に一輪だけ。
大きさ的には丁度良いかもしれないけど。
後から小さい花も咲いて行くんだろうか。
「じゃあ泉っていうか水場が無いと生まれないって知ってたわけですか?」
「いや、知らない。いわば化石なんだよ。研究の過程で調査に行った地で見つけたモノだ」
「化石って、その土地にもう水場が無かったって事でござるか?」
「どうだろうね、枯れた土地であったことは間違いないが、そこで手に入れたモノなのだ。鑑定したら
「コットンの卵:種の様なモノ」と出ていたのでな。土に埋めれば良いモノとばかり思っていたのだが、違ったようだな」
いつの間にやら机や椅子を取り出して、優雅なティータイムを楽しんでいる。
『そんな黄昏ながら言わないでもらえます?』
ちゃっかりと言うか、本当に手際が良いな。
家のすぐ隣が立派な休憩スペースになってきてしまっている。
泉があってベンチや机という休憩に持ってこいだ。
小さい窓のすぐそばには、バーベキューセットが置かれている。
……置かれてる? いや、なんでそんなモノがあるんだろう。
マジマジとバーベキューセットを見ていると、ピコンッというメッセージが目の間に浮かび上がった。
システム的にはメールみたいなモノだろう。
『はろ~、スノーちゃんがコレに気付いてくれてるか分かんないけど。バーベキューセットはギルドからじゃなくって私の私物ですから、プレゼントしちゃいま~す。
色入りと便利だから使って見て欲しいな~』
あの受付嬢さん、大丈夫なんだろうか。
本当にここまで石材と木材を運んできたのって、あの受付嬢さんなんだな。
「行動力のある子ね」
「いっつも受付の端っこでヤル気なさそうにダレてる受付嬢さんでしょう。好感度が高いと色々と優遇してもらえるって聞いてたけど、本当なのね、随分と気に入られているようね」
「まったく気付かなかったんだな」
ガウもケリアさんも皆が集まって来た。
「というかさ、此処でウサギさんや蜂さんを見てただけだったりしねて」
「シュネーいくら何でもそれは……サボりながら彼等の観察か?」
振り返ると、此処はウサギさん達が畑の手入れをして、疲れたら伸びをして休んでいたり。仲良くトレーニングしていたたりする。
そして蜂さん達は働き蜂のまん丸モフモフが飛び回って、せっせと花の蜜を集めるようと行ったり来たりして、花の上ではコロコロと転がる様に花粉を集める姿が何とも可愛い。
つまり、なにが言いたいかというと、此処は絶景スポットと言えるだろう。
「否定、出来ないわね」
「ここの景色って動画を撮っても良いかしら?」
「うむ……シュネー嬢の言葉は否定できないんだな」
「いやほんと、ここは良い景色だね~」
皆が其々にこの場所に魅了されているようだ。
「おいおい……確かに花を咲かせろといったが、ああいう花を咲かせろって言ってねぇぞ」
『オレに言われても……困ります』
あぁ、今度はボウガが来たよ。
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