【閑話】知らぬ所で(受付嬢)




  ★☆★☆【?キャラクター達?】★☆★☆


 ==とある受付嬢。


「ねえカミル、この前に担当した子居たじゃない」


 人目を憚る事無くカウンターにだらしなく倒れこんでいる女性、カミルに少し呆れながらもう一人の話しかけるもう一人の受付嬢。


「あの子ですか? どうかしたんです?」

 急に明るい表情に変わって体を起こす。

「アンタね」

 その変わりようを見て、ジト目でカミルを睨む。


「な、なによ」

「普段からそのくらいの顔で受付に立ってなさいよ」

「ふん、普段から忙しい人には分からないんです~。隣で誰一人並ばずに暇な私と比べないでくださいよ。暇だからって関係ない仕事を手伝わされるし」


 文句を言い続けるカミラを無視して、話を進め始める。


「なんか、上手く? いえ、なんて言えばいいのかな…… とにかく、進んでるみたいよ」


「そんなことですか。知ってますよ、あの近くに住む偏屈さんも驚いてましたしね」


 カミラは得意げに胸を突き出し、偉そうに威張りだす。


「アンタ……、変なことしてないでしょうね」

「失礼なッ! 私は何もしてませんよ」

「そう、なら別にいいんだけど」


 言い終えて、何か引っかかりを感じてカミラの方をじっと見つめる。


「ちょっとまってよ、いまアンタ――」

「先輩方、あの~、農具が一セット無くなっているんですけど」


 部屋の奥から後輩の声が聞こえてるく。


「最近に来た方の家に転送しましたからね」


 カミルがしれっと答える。


「えっ! あの、あれって結構良い能力付きの農具、でしたよね」


 帰ってきた答えに、後輩がおろおろと戸惑い始める。


「えぇそうね、でもね。この辺りじゃあ使う人が居ないのよ。良いじゃない、使われずにゴミになる道具なんてもう見たくないの。道具は使われて壊れる、それが普通よ」


「いや、それは手入れをしなかったらの場合では?」

「そうね貴方の言う通りだけれど、さの予算はもう無いのよ」


 あまりにもファーマ―が居ないために成果はゼロに近い、今まで用意されていた殆どの予算は地区の整備やそこに住む者達とうに充てられている。そのせいで中途半端に能力効果の高い道具の手入れなどの予算は、もう残っていない。


「それなら、使ってくれる人に渡したほうが良いでしょう。どうせみんな使わなかった物なんだから、むしろ使われて道具達は幸せじゃない」


「いや、アンタの言ってることは分かるけど……、どんな物を渡しちゃったわけ?」


 今までの態度とは一転して、カミルが急に顔を背ける。


「アン……気にしちゃダメよ」

「リスト、見せてちょうだい」


 カミルの態度を見たアンが急いで後輩に近づいた。


「あの、こちらです」


 アンは差し出されたリスト表を引っ手繰るように手に取る。


「ちょっと、なによこれ」


 リストに書かれていたのは、

 農具一式、使用した場所の品質2向上。


 プレイヤーの能力・レベルに応じて疲れやすさ軽減。

 道具の使用能力により効果1アップ。

 というものだった。



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