第01話 家族
―― 衝撃の神の啓示から、二週間。
黒髪を、ツーブロックのマッシュショートで可愛くスタイリングした男子は、空の
「「 母さん、おかわり! 」」
同時に、おかわりを要求したのは、黒髪を赤い
剣の神の
…彼女は、世界に七人いる巫女の内の一人、《剣の巫女》なのだから。
「やった!姉ちゃんに勝った!」
どうだと、言わんばかりに右腕を伸ばしている男子の名は、
「ふっふっふ、ネオ甘いわね!母さんが、空の茶碗を受け取って、初めておかわりは成立するのよ!」
そう言いながら、リーチ差でネオの茶碗を追い越したナルは満足気だ。
「はいはい、二人ともたくさん食べなさいね」
ネオの茶碗を受け取った女性は、米を山盛りにしてネオに返した後、ナルの茶碗を受け取った。
ネオは僅差の大勝利に満面の笑みでナルを見上げるが、ナルも次は負けないよ、とばかりに笑みを返している。
そんな二人に、何も言わず微笑みだけを向けているのがナルの父親で、山盛りにした茶碗を優しい笑顔でナルに返しているのが母親だ。
最高神が消失しようと、しまいと、そこには、いつもと変わらない仲睦まじい家族があった。
その食卓で、ナルがこっそり小皿に分けていたミックスベジタブルのグリンピースと人参を、ひたすら食べているベジタブル妖精……それが私だ。
―― 天上界では、とんでもない事態になっているようだが…
地上界は変わらず平穏な日々が流れていた。
ある巫女が動き出すまでは…
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