ニートなおじさんは女子高生を知らない。。

イザナミ

プロローグ

 カンカンカンカン


 家の前の線路を目障りな電車が通過していく。

 

 「あぁ!うるせぇんだよ!!」


田舎から舞台役者を夢見て親に黙って上京して来た。

 けれどその夢は俺の飽きやすい性格のせいか叶うこともなく10年の時が流れ32歳。今や生活保護を貰うニートおじさんへと変貌していた。

 あの時親の意見をしっかり聞いとくんだった、部屋の契約は慎重にするべきだったと後悔していると玄関から電子音が聞こえて来た。久しぶりに聴く音だ。

 ゆっくりとパジャマのまま玄関まで向かって行こうとすると次第に電子音が連続して、田舎に住んでいた頃の夜に聞こえて来たカエルの合唱の様な勢いで鳴らしてくる。

 

 「うるせぇよ!今行くからよ!」


 そう少し強めに言うとその電子音はより勢いを増した。

 もしや親が死んで化けてでてきたんじぁあないかとあり得ない様な事も考えながらドアにチェーンをかけゆっくりと隙間から覗く様に開けるとそこには制服を着た1人の少女が立っていた。


 

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