第17話 ともだち、パートナー、サーバント
地球外型知的生命体はいなかった。
というより、見つけられなかった。
かくれんぼではないが、うまく痕跡を消しているだけかもしれない。異星生物なら発見はなされたが、人間の科学で解明できるもので、思いつかないものもあったが、大きく想像の範疇を超えるものではなかった。これは同じ物理法則世界上だからなのかもしれない。
AIはよき隣人となっている。
軍事、殺人等に使われた悲しいときもありはしたが、概ね人間と良好な関係をこれまで築いてきたのは、ひとえに双方の小さな積み重ねがあったからである。
もちろん行き違い、衝突があった。それでもやってこれたのは、すみ分けがどうにかなされたからである。
ふさわしきものに、ふさわしきことを。
アリストテレスから発せられた考えは、脈々と受け継がれ、AIとの関係にも当てはめられて上々の結果を得た。
ともだち、パートナー、サーバント。
先にいってしまったAIもいる。
それでも神とは似て非なるそのものたちは、なんらかのかたちでいまに益をもたらしていると、大勢に親しまれている。
意思疎通の手段はそれぞれであれど、コミュニケートできているのだから、それ以上不思議に思う必要はない。
やり取りする、伝え合う、渡し、受け取る。相互作用。そうじょう。そうわ。
結局だれもがどこかでなにかを、だれかを欲している。その関係がどうあれ、下がるべきではない。かといって上がる必要もない。並ばなくてもいいかもしれない。おもえばいい。かんじればいい。すでにそこを占めているのだから。それこそそれであるのだろう。
だれもがシエスタのもとで、たわいのないおしゃべりやうたた寝、のんべんだらりとゆるゆると、たぶん永いおやすみをとっているのだ。
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