ユニバーサル・シエスタ

水;雨

第1話 神々の浜辺にて

 龍娘は世界の果てをほとほと見飽きて、天の川で水浴びと昼寝をしながら130億年ぶりに現地球に帰ってきた。

 といっても祖地球はとっくに太陽にのまれてしまっていて、別の地球だが、祖先たちを尊重して元気だった頃のままが繰り返し再現されている。

 とっくのとうにみんなは各銀河の方々へ散り散りになっていて、ほとんどがからだをもたなくなって、物質界で活動するために義体を使っているのだが、彼女は数少ないながらもいじらず生まれてからずっと自然成長を維持している。

 しかしながら彼女は一主役に過ぎなく、これより始まるはありうるかもしれない先の世の生活風景の切り出しのようなものである。ときおり冒険が踊りだすが、主旋律とはなり得ないので、念のため。

 めいめいがおのれのしたいことの求めるまま、汎ルール、他人に迷惑をなるたけ最小限にかけない限りにおいては何をやってもいい、ただし認知した概ねの承認認可において、に従って、崇高から犯罪すれすれ、神の真似事やら細胞の一片となって生を謳歌していた。

 モノ化主義者の希少種もいるが、その話はいずれまた。


 これは物語というかたちをとった一未来のいっときのシエスタ。


 超え出た未来は「ある」という意味ではリアルである。たとえそれが頭の中だけの妄想だとしても。


 では歩き出せる地点へ向けて進みだすとしていこう。


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