隣の和泉さんと農場ゲーム

はるかわ

第1話 隣の席の和泉さん

空野翔(そらのかける)という名の農場ゲーム好き男子高校生、俺。


今日も元気に学校に来た。


教室へ入り窓側端っこ席に座り、


友達であるキラキラ男子、星空海斗(ほしぞらかいと)にあいさつをする。


「海斗、おはよ」


「翔ちんおはよー」


海斗、いい加減そのあだ名やめてくれ…


「朝ちゃんおはよー」


「和泉さんおはよっ」


隣の席の和泉朝(いずみあさ)さん。


優等生で優しくて美人で欠点が見つからないし、何より絶大な人気だ。


ほんとにいい人ー!!


「翔くんおっはー」


と、話しかけてきたのは和泉さんの友達の夕凪ひなせ(ゆうなぎひなせ)だ。


和泉さんとは正反対なボーイッシュな女子で、海斗と付き合っている。


今日もラブラブ…眩しすぎるYO!


「おう、夕凪おはよう」


夕凪につられ和泉さんも俺にあいさつをする。

「翔くんおはよう…」


和泉さんも眩しいYO―!

「お、おはよう!」



昼休みになり、俺は食堂へ行こうとしてた。


扉を通ろうと思ったんだが、和泉さんが男子の先輩2人に強引に誘われていた。


「なあ俺らと遊ぼーよー」


「あ、あの…私食堂でご飯を食べるので…」


大丈夫か?!和泉さん!


「俺らミクド奢るよー?」


しかし、先輩達は和泉さんが嫌がっているのにまだ強引に手を引いている。


かなりやばいんじゃないか?助けたほうがいいよな!


てか助けよう!


「先輩達、和泉さんが嫌がってるのでやめた方がいいと思いますよ。」


「あ?お前誰だよ。嫌がってないだろ?」


「そう?和泉さん。」


「あの…嫌です…」


和泉さんがそう言うと先輩達は チッ、と言い去って行った。


意外に臆病だな。

あー…でもよかった。


和泉さんほんと嫌そうだったし――


「翔くんありがとうっ〜‼︎怖かった…」


不意打ちでかわいい…


ずるいぞ和泉さんっ!


しかし俺は平然を装う。


「どういたしまして。せっかくだし一緒に食堂行く?今みたいなのまたあったら嫌だしね」


「うん!行こう」


そして俺らは食堂で日替わり定食を食べた。


和泉さんと食べたからかいつもの日替わり定食より美味かった気がした。

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