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真知さんの同期で設計課の宗田さんに誘われて、真知さんと一緒に設計課のお花見に参加することになった。
こういう皆でわいわいするイベント事はわりと好きだ。
仕事ではわからないいろんな人のいろんな面が見えて面白い。
お酒も結構好きだし。
ブルーシートに座って、お酒で乾杯。
設計課の人は数人しか知らないけど、気を遣っていろいろ話しかけてくれる。
「可憐ちゃんって名前の通り可憐だねぇ。」
「そうですか?ありがとうございます。」
私の何を見てそう思うのか知らないけど、一応ニッコリ笑顔で返事をする。
そう言われるのは、本当は複雑な気持ちになる。
この名前のせいで小学生のとき男子から何度からかわれたことか。
可憐って名前どおり、可憐にならなくちゃと女の子らしく頑張ってた私。
今の私は作られた私なのか、これが本当の私でいいのか、時々わからなくなる。
自分のことなのに。
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