11
それにしても。
35歳独身。
エリート作業長。
思わぬ情報が手に入った。
独身だったんだぁ。
でも、彼女はいるのかな?
って、私ったら何を考えてるの。
いくらなんでも紅林さんを意識しすぎでしょう。
そんなタイミングで真知さんが突拍子もないことを聞いてくる。
「可憐ちゃんはさ、今彼氏いるの?」
「えっ?」
ビックリしすぎて声が上ずった。
「いないです。でも好きな人はいます。」
言って、あれ?好きな人?と疑問に思うも、何だか気恥ずかしくて頬に熱が集まるのがわかる。
そんな私に、真知さんはグイグイ聞いてくる。
「会社の人?」
「えっとぉ、…まだ秘密です。」
どう答えようか迷ったあげく、適当にごまかした。
真知さんはどうなんだろう?
ここによく来る同期の宗田さんとか…?
聞きたい気持ちもあるけど、先輩に対してあまり突っ込んだことを聞くのが躊躇われて、私は口ごもる。
好きな人か…。
私は、紅林さんが好きなのかなぁ。
あの優しい声とかほんの少し笑った顔とか。
胸がキューンとしちゃうんだよねぇ。
そんなことを考えて、はっと我に返る。
そんな、胸がキューンだなんて、紅林さんのこと好きって言ってるみたいじゃん。
いやいやいや、まさか、ね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます