第76話一九二七年、代官所、商場改革
「殿、代官所や商場の費用をいかがいたしましょうか」
「必要な額を正確に届けてさせてくれ。
支配地の民百姓から、公務で礼金や付届けを受け取る事を禁じる。
ただし、公務以外の手助けをした場合だけ、相応の礼金を受ける事は許す」
「承りました」
俺は幕府の代官所経営を参考に費用を計算した。
交易の拠点となる商場や、領地の支配拠点となる代官所では、どうしても多額の費用が必要だ。
事務仕事は勿論、犯罪の取り締まりをしなければいけないし、外国が攻め込んできた時には戦闘する必要もある。
町民の自治が基本だが、町民自治では治めきれない事もある。
江戸町奉行所は、人件費などの経費用に一万石の領地を持っている。
四公六民を考えれば、手取りは四千石、米俵で一万俵だ。
だが蝦夷樺太では米の年貢はあてにできない。
開拓地の商品作物収入が計算できるのは、四年後五年後だ。
今確実に収入を計算できるのは、商場における運上金や湊停泊料だけだ。
だから代官所は商場を拠点として、そこの収入から経費を捻出し、開拓地の警備防衛となる軍事拠点の陣屋を、支所として内陸部に置いた。
幕府の手前、築城する事はできないから、表向きは代官所になる。
名前は代官所だが、実際には砦以外の何物でもない。
最低でも百人の若党隊が家族と一緒に駐屯越冬し、非常時には三年間籠城できるだけの、武器弾薬兵糧が備蓄されている。
場所によっては、周辺の開拓民を千人二千人と収容して、籠城するだけの武器弾薬や兵糧を備蓄している代官所もあった。
「徳川幕府代官所人員と人件費」
代官:百五十俵 :一人 :勘定奉行所所属の幕臣
元締:三十両五人扶持 :二人 :手代手付中から選出
手附:三十俵二人扶持 :十八人:勘定奉行所所属の幕臣
手代:二十両五人扶持 :十八人:身分を問わず代官所の雇用 ・武士扱い
書役:五両二人扶持 :二人 :手代見習・身分を問わず代官所の雇用
侍 :三両二分一人扶持:三人 :警備と治安維持・身分を問わず代官所の雇用
足軽:三両一人扶持 :一人 :警備と治安維持・身分を問わず代官所の雇用
賄人:五両一人扶持 :一人 :料理人
中間:二両一人扶持 :十三人:雑用係
計四十人、四百七十四両二分、百二十人扶持
「代官所必要経費」
出張費用:二十両
廻船費用:十五両
検見費用:五十五両
飛脚費用:二十両二分
塩味噌 :二十五両
御用給食:二十五両
油薪炭 :四十両
墨紙蝋燭:三十五両
雑費用 :百四十両(道具代・修理費・雑費)
計三百二十五両二分
七万九千六百石だが、十万石並みの経費と人員。
五万石の管理費用五百五十両七十人扶持
一万石管理領地が増えるごとに五十両十人扶持増額
その他、代官所が仕事をするたびに謝礼が支配地から配られる。
検見謝礼の場合、元締に二両から三両、加判に一両、以下の者併せて十両以上。
暑中見舞い、寒中見舞い、御年玉と多くの役得があった。
「松前藩代官所・商場人員」
組長:十両一人扶持:一名 :
廿長:六両一人扶持:四名 :
什長:五両一人扶持:六名 :
伍長:四両一人扶持:九名 :
若党:三両一人扶持:八十名:
計百人、三百三十六両、百人扶持
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます