【Zの意見】【Yの意見】【Xの意見】
【Zの意見】
「こんな可愛い彼女と付き合うのは、お前には無理だよ」
とXは自分の恋人Yを自慢しながら言った。
だから、俺はYを奪ったんだ。
Xの自慢の恋人のYを奪ったんだ。
その位で奪うのは、悪いとは思ったよ。
でも、強引だったとは言え、結果、俺を選んだのは、そのYだ。
だから、悪く思うなよ、X。
【Yの意見】
Zが私の事、まったく気にも留めなかったから、Xを利用して、Zを挑発するように、仕向けたの。
簡単だった。
Xには悪い事をした。
ごめんね、X。
【Xの意見】
Yが、Zの事を好きな事は知っていたし、僕を利用して、Zの気を引こうとしていたのも知ってた。
良いんだ、別に。
Yの事そんなに好きじゃなかったし・・・
それに、それはそれで、ゲーム感覚で楽しんでいたし。
そして今、僕の側には、Yはいない。
いるはずの場所に、Yはいない。
Yの温かさも、可愛らしい声も、感じることは出来ない。
今さら、彼女の存在の愛おしさに気づいても、もう遅いんだ。
彼女のいた場所は空白になった。
その空白は消える気が無いらしい。
時間は残酷だ。
徐々にその空白は大きくなって行く。
鏡に映る自分が薄くなっている様な気がする。
所詮僕は、用が無くなれば消える存在。
空白は、いずれ僕を飲み込み、僕は消え去るだろう。
そして、そこに空白があることすら、人々は知ることはない。
おしまい
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