みんな、アル中寸前さ

僕の周りの大人たちは、みんなアル中寸前だ。

僕の担任の先生も、駐在のお巡りさんも、


ガソリンスタンドのおっさんも、みんなみんなアル中寸前だ。


僕のママが美人過ぎるからだ。

だから、みんな正月なのに家にも帰らず、


僕のママの居酒屋に入りびたりで飲み続けているんだ。


みんなから『訳あり』と呼ばれている、


板前のおじちゃんが、小料理を作りながら

「誰が悪い訳じゃない・・・誰が悪い訳じゃんない。」

と独り言でも言う様に、僕に言ったんだ。


そんな事、僕の知ったことじゃない。

僕にとって大事なことは、みんながくれるお年玉さ。




街に居酒屋が1つしかない街の、今年の正月の1シーン



おしまい

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