大切な瞬間を、君と。

七瀬モカᕱ⑅ᕱ

写真

 太陽が顔を出して、外がだんだん暖かくなっていく。

 君は、『天気もいいし、ピクニックに行こうよ。』なんて言い出して、僕は休みの日に外に出るのはあまり好きじゃないけど君は僕のことなんか気にせずにどんどん準備を進めて行った。


 太陽の光と、時々吹く風がとても気持ちがいい。僕らがピクニックの場所に選んだのは近くにある河川敷。上を見上げれば大きな桜の木、足元を見ればたんぽぽやシロツメクサや他にもたくさんの春の花が咲いている。


 君はとても嬉しそうにたんぽぽやシロツメクサで花かんむりを作ったり、水切りをして遊んでいた。僕は、その楽しそうな表情をずっと見ていられるようにしたくて、カメラのシャッターを切った。

 君はそれに気づいたのか、『今の撮ったでしょ!』なんて少し怒っているようだった。


 やっぱり、君はまだ気づいていないんだ。

 僕は、どれだけ自分の事で忙しくしていても君との時間が一番幸せなんだってことに。どんな小さなことだって、僕にとっては大切な瞬間。

 そんな大切な瞬間をひとつひとつ、大切な人と過ごせたなら......こんなに幸せなことはないだろうと思う。

 ただ嬉しい瞬間を何枚も何枚も切り取っていきたい。

 それがどんなに小さなことだっていい。君がいればそれで十分なんだから。


 だからこれからも、その輝く瞳で僕だけをずっと見つめていて。


 白いたんぽぽの花言葉・・・私を探して、そして見つめて。

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大切な瞬間を、君と。 七瀬モカᕱ⑅ᕱ @CloveR072

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