愛してるよ

まる

もう少しだけ、


「好きです、付き合ってください」

と告白されてから、もう2年が経った。

朝起きると、君が隣にいて気持ちよさそうに寝てる。

当たり前になったけど、ずっとこの幸せが続いて欲しくて、そっと君を抱き寄せる。

「かわいいなぁ…」

これからも、ずっと、隣に居たいんだ。

君の瞳に映る世界を一緒に見たい。

愛してるよ。






君は最近、愛想笑いが増えた。僕と居る時は無理をしているように見えた。

「愛してる」、「ずっと一緒に居ようね。」

君からの愛の言葉も全部、嘘に聞こえるんだ。


独りの夜も増えた。独りの夜はどうしても考えてしまう。

君の隣にまだ僕は居ることができるかな、同じ景色を見ることは出来るのかな。君の言葉は全部信じたい、たとえ嘘だとしても。

「はぁ…っ」

視界がほやけていく。慌てて僕は幸せな夢の中へ。

夢の中だと、君は幸せそうに笑っている。眠ればきっとこの気持ちも忘れる、お願い、ずっと覚めないで。


僕は気付いていたんだ。君が無理をして笑おうとしてくれているんじゃないか。笑いあって幸せだった日々も、肌の温もりも。全部全部最初から、「嘘」だったのかもしれないね。いや、そうやって認めてしまえば、「嘘」になってしまう、それは怖いんだ。

ちょっとぐらい「嘘じゃない、ずっと隣に居てくれる」って希望を持ったっていいよね。


「愛してるよ、ずっと一緒に居たい。」

君はいつものように「愛してる」と伝えてくれる。

でも、君は、無理をしている。そんな事分かっているんだ。でも僕は、気付かない振りをして

「僕も愛してるよ、ずっと。」

って返すんだ。


気付いていても、気付かない振りをするのは、疲れる。君と居る時、上手く笑えているだろうか。


君の事は大好きなんだ。愛しているんだ。

そんな言葉、もう君には、届かないのかなぁ…


君はあの頃とだいぶ変わってしまった。だけどそれでも、もう少しだけ、隣に居させて。愛してるって伝えさせて。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

愛してるよ まる @maru_33726

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ