第8話 マッスル太鼓

 テレレッ♪テレレッ♪テレレッテッ♪Hey!!

 寿司寿司寿司寿司寿司 好き♪

 ファッキュウさん♪


「あの筋肉入道め‼」

 ショーグンが憤慨している。

「ショーグンさん、あんまりアングリィだと血管ブッチするね」

「大体、新右衛門‼ 貴様、一緒に騒いでいただけじゃったじゃろ‼」

「そりゃそうよショーグンさん、出張キャバクラよ、楽しいに決まってんじゃん」

「ワシは、あの筋肉入道にギャフン言わせたくて呼んだんじゃ‼」

「ギャフン…それならそうと」

「あん? オメェできんのかよ‼ あっ‼?」

 ショーグン、完全に目が逝ってる。

 その圧に負けた新右衛門

「キャンッ言わしたりますです…はい」

 とは言って、その場は凌いだものの、胸毛ゴリラ侍に、そんな策あるわけもなく、足は自然にキャバクラ『奇凶夜』へ向くのであった。

「今日は祭りでござったな…ということは奇凶夜は浴衣ナイト…行かないという選択肢はないでござる」

 新右衛門の重かった足取りが自然とフワフワ軽くなる。

「なに? 新人さよ嬢だと…ミニマムロリ系…行くしかねぇだろ、たとえ財布が丸腰でもよぉ‼」

 奇凶夜のパネルの前でキャホキャホする新右衛門。

「店長‼ さよ嬢だ‼」

「はいよ‼ さよ嬢~ご指名で~す」

 ドドン‼

 新右衛門の耳元で和太鼓の音が響く。

「さよでーす。よろしくおねがいしま~す」

 ドドン‼

「新右衛門でーす、キャッスル勤めで~す、ところでこの太鼓…なに?」

「サマーフェスティバル感で~す」

「キャバクラに…ふんどしマッチョが太鼓で盛り上げる…暑苦しくない?」

「そうですね~、勝手にビートを刻む太鼓でもあればいいのにね~」

 さよ嬢がペリドンを勝手に入れてグラスに注ぐ。

「それだ‼」

「えっ? タワー? タワー入れちゃう?」

「さよちゃん、ありがとう」

「タワーお願いしま~す、さよ、うれしいー」

 立ち上がり、暗黒寺へ走る新右衛門…会計はクレカだ。


「ファッキュウはいるか?」

「なんですか? 新右衛門さ~ん」

「ファッキュウ…奇凶夜へ来い」

「奇凶夜? いかいでか‼」


 そんなわけで掃除をスルーして奇凶夜へ来たファッキュウと新右衛門

「ファッキュウ…この太鼓を叩かずに鳴らしてみせよ…さすれば、今夜はすべて拙者が持とうではないか…ククク」

「マジか?」

「できねば…このタワーの支払いをしてもらおう」

「OK…OK~ イージーね」

 太鼓の前に進むファッキュウ

「か―めーはーめーフォー‼」

 突き出した掌で空気が弾かれる。

 ズドンッ‼

 太鼓の音が大きく響く…

「レ~ツッ…パーリナイッ‼」


 今宵の支払いは1000万超えだぞ新右衛門、キャッシング枠も限界だ。

 HAHAHAHAHA‼


 ファッキュウさん♪

 テレレッテッテHey!!

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