室町異伝 パンチ入道ファッキュウさん

桜雪

第1話 マッスル水あめ

 テレレッ♪テレレッ♪テレレッテッ♪Hey!!

 寿司寿司寿司寿司寿司 好き♪

 ファッキュウさん♪


「これファッキュウ、この壺には毒がはいっておる、ワシは出かけるが、くれぐれもこの壺に入っているものを口にしてはならんぞ」

 和尚様がファッキュウに言い聞かせる。

「OK♪OK♪ BOSS、シンパイないよ」

 和尚は香水の香りを残してキャバクラへ出かけていった。

「Hey ガ~イズ、クソBOSSは今夜、帰らないね~」

 ファッキュウは、ココ『暗黒寺』で修行する坊主を集めてRAVEの真っ最中である。

「フォォー‼ 木魚のビートでアゲてけテンション‼」


 ノリノリで筋肉をミチミチいわせて踊るファッキュウ、ふと目に止まった和尚の壺。

(アガるクスリじゃね?)

 壺を開けるとネトッとした透明なゲルにスプーンが刺さっている。

(ハードローションじゃね?)


 ファッキュウさん、ネットリしたゲルを洗面器でお湯に溶かしてカシャカシャ混ぜて、身体に塗ってマットで転がってみた。

「…ローションじゃなくね? 」

 ハードタイプを超えた甘い香りのネトネトが滑るどころか、むしろ固まってくる。

「Hey ファッキュウ、You…キャンディを体に塗って何してる?」

「What? キャンディ?」

「Yes、BOSSが寝る前に舐めているキャンディさ」

「Oh~God…Fuck You!!」


 BANG!!

 ファッキュウの拳が壺を破壊する。


 翌朝、和尚が帰ってファッキュウに尋ねた。

「ファッキュウ、なぜ泣いている?」

「Hey BOSS…Meは掃除していて壺を割ってしまったYo…失敗は死で償う…それが暗黒寺の教えネ、零れた毒を舐めたのYo…もうすぐ死ぬよ…Sorry…BOSS」

「マイガッ?」


 和尚はファッキュウに、アレは毒でもローションでもないと話した。

 クソ高い精力剤だと言うことを…。


「じゃあ…Meは死なないYo…Lucky‼」

「もういいのじゃ…ファッキュウ…それより、Youはなぜアリ塗れなんじゃ?」


 HAHAHAHAHA‼


 ファッキュウさん♪

 テレレッテッテHey!!

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