第687話 手榴弾
沖縄に修学旅行で行ったときの事です
高校の修学旅行で沖縄に行きました。星の砂を買ったり、透明度の高い海で泳いだりして楽しい思い出もいっぱいあります
しかし、忘れられない出来事が一つあります
私たちのグループは、自由時間に海岸から少し離れた場所で散策していました
そして、景色のいい場所を見つけたのでそこで写真を撮ることにしました
今でもその記念写真を持っています。それは特に心霊写真になったりしていないので
そして、写真を撮り終わった後に近くの雑木林へと入っていきました
それは、トイレをするためだったのですが、しゃがんだときに地面に何かが埋まっているのに気が付きました
握りこぶしくらいの茶色い物。なんとなく掘り出してみました。最初は空き缶かと思いましたが、それよりも重く、形も空き缶よりは小さかったです
それを捨てずに、みんなに見せようともっていこうとしました
しかし、立ち上がろうとしたときにめまいがして、目の前が真っ暗になりました
「ここで死ぬんだ!」
急に叫び声が。声がした方を見ると、何人か人が集まっています。そして、中心にいる一人が手を振り上げました。その手には、何か握られています
「ばんざい!」
そう言うと同時に、その人は手を地面に叩きつけました。その瞬間、爆発が起き、周りにいる人たちは吹き飛ばされ……
目を背けた私は、誰かが居る事に気が付きました。私と同じくらいの年の女の子でした
その子は、自分の持っていたものを地面に埋めていました。それは、さっき私が茶色い物を見つけた場所です
「……死にたくない」
そう言って消えました
あれは、戦争のときに自決用として渡された手榴弾だと分かりました。私が触れたので、当時の光景が見えたのでしょうか?
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