第679話 ノック
こんにちは、山内花林です
私は、あるアパートの一室の前に居ます
いままで理由もわからずずっと放置されていた部屋があるそうです
経営していた現大家さんの祖母が、生前に誰にも貸すなと言っていただけで、その理由を聞かないまま病気で亡くなったそうです
現在の大家さんは、クラスメイトの叔母さんで、祖母が亡くなったので改めてその部屋を掃除し、貸し出したところ、不思議な事が起こると言われたそうです
「ドアをノックする音がするんだけど、ドアを開けても誰も居ないから、気味が悪いって……」
それで、クラスメイトは私を試しに呼んだのです。私自身、幽霊を除霊する能力はありませんが、原因が分かればと、とりあえず視てほしいらしいのです
それで、問題の部屋を視てみると、今は特に何も視えませんでした
現在、一時的に部屋主は別の部屋で過ごしてもらっているので、中に入っても大丈夫だそうなので、中に入りました
クラスメイトも部屋の中に居ます。私には霊が居る感じがしましたが、どこにいるかまではまだわかりません
「あ、ちょっとトイレ」
クラスメイトは、今は人の部屋だというのに気にせずにトイレに入りました
その時
コンコンコンッ
とノックする音がしました
ドアとは、出入り口ではなく、トイレのドアだったのでしょうか
「なーに? 今はいったばっかりだからまだだよ」
クラスメイトは私がノックしたと思ったのが、普通に返事をします
「そんなにトイレしたかったの? はいどうぞ」
私は首を振って否定しました
ただ、ノックしていたのが肘から先の腕だけだったというのは伝えるべきかどうか迷います
おそらく頭はトイレの……
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