第667話 腐った臭い

息子が引きこもった


会社での人間関係がうまくいかず、会社を辞めて部屋でずっとネットをしている


ご飯は部屋の前に置いておくと、いつの間にか無くなっている


そんな暮らしが1か月ほど続いたころ


「ちょっと、ちゃんと部屋の掃除はしなさいよね!」


「わかってるよ」


おそらく、部屋のごみをためているのだろう、何かが腐ったようなにおいがする


次の日には、部屋の前にゴミ袋がいくつか置かれていたのできちんと掃除をしたのだろう


だけど、腐った臭いはまだ続いていた


「たまには出かけたら? その間に部屋の掃除をしておいてあげるから」


しかし、返事はなかった。あまり無理を言ってこじらせてもだめだと思ったので、その日はそれ以上言わなかった


次の日、昨日よりも臭いがきつくなっていた。これはさすがに無理やりにでも掃除をするべきだろう


「入るわよ」


一応声をかけたが返事はない。鍵はついていないので、ドアを開ける。すると、そこには腐った息子が横になっていた


ただ、昨日まで食事は綺麗に食べられていた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る