第582話 小話

・柔軟剤




柔軟剤が発売された当初、洗濯に使うものだと知らない体の固い人たちが、柔軟剤を飲む事故が多発した




それ以来、注意書きに飲み物ではありませんと記載されるようになった










・準備運動




公園で念入りに準備運動をしている青年が居た




これからランニングでもするのだろうか? しかし、服装は走るような服装ではなく、これからデートにでも行くかの様な服装だ




どうせ暇なので話しかけてみる




「なぜ準備運動をしているのですか?」




すると青年はこう答えた




「世の中、いつなんどき、何があるか分かりませんからね。すぐに動けるように準備運動しているんですよ」




「へぇー」




それ以上、話すことも無いので、礼をしてから青年の元を立ち去る




そして公園を出た時、携帯を見ている車が突っ込んできた




とっさの事に体が動かない。私もすぐ動けるように準備運動をしておけばよかったと後悔したのは、車にぶつかった後の事だ








・カエル




あるニュースで、不思議なことを言っていた




場所は、田舎の水田




そこで仕事をしている農家さんとリポーターの話だ




「何をされているんですか?」




「田んぼに溝を切っているんですよ。ほら、水たまりにオタマジャクシが泳いでいますね」




その時、小さなカエルがリポーターの前をピョンピョンと跳ねていった




それを見たリポーターが言った




「小さなカエルですね。子供のカエルでしょうか」

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