第543話 録画ドラマ

深夜にドラマを見ていた時の事




再放送という事で、特に録画をしてはいなかった




一回見たことあるものだし、なんとなく懐かしくなって見るだけだからだ




夜の11時から始まるドラマは、12時にクライマックスを迎えた




「ここで相棒が撃たれるんだよなー。当時はまさかあいつが犯人なんて……って思ってたな」




誰も居ないので自分でネタバレしながら見ている




すると、記憶の通り相棒が撃たれた




パンッ




相棒の肩に拳銃の弾がヒットし、主人公に遺言を残して逝くのだ




撃たれたんだから犯人を追うなり、救急車を呼ぶなり、何より身を隠せよという野暮な突っ込みは無しだ




主人公が相棒を抱き起す




すると、画面が急に暗転し、顔面血だらけの老婆が映った




「こんな演出あったっけ?」




今思えば、再放送にそんな新規の演出なんてあり得ないと分かるのだが、その時は前回見たドラマの内容を思い出そうと一生懸命で、それそのものは何とも思っていなかった




老婆はしばらくこちらをにらんだ後、消えた




そして、相棒が丁度遺言を言い終わって逝くところだた




「やっぱりあんな演出は無かったな」




そう思うと同時に、走って寝室へ行き、布団にもぐりこんだ




しばらく老婆の顔がチラついて、いつあいつが現れるのかとビクビクしていたが、結局それ以来見ることは無かった




なんて話を友人にしたら




「それなら俺、録画してあるから見るか?」




というので、当然断った

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