第449話 畑荒らし

最近、作物が切り倒される被害が出ている




ただ、それが人間によるものなのか、動物によるものなのかは分かっていない




住んでいる場所は山に近いため、普通に猿や猪、熊なんかが現れるからだ




「おらんとこの作物さ、またやられたべ」




「おまえさんとこもか。おらんとこもだべ」




犯人を見つけようと、畑に防犯カメラを仕掛ける事になった




もし、犯人が猪なら柵を、猿なら網を、熊なら猟師で対抗しようと話し合った




一夜明けて、畑を見てみるとオクラが倒れていた




根元は半分だけ折れている様な感じで、足跡は無く、犯人が分からない




防犯カメラを見てみる事になった




すると、一人の黒っぽい作業服を着た青年が映っていた




この狭い村ではほぼみんな顔見知りなので、この青年が村のものではないことはすぐにわかった




青年の手にはハサミが握られていた




そのハサミでオクラの根元を……叩き折った




普通なら、切るのに使うだろうに……




それも、たったその1本だけに対して……




それからカメラの外に行ったためにどうなったのかは分からない




「どうすんべ?」




「警察さに被害届だすにしても、被害がオクラ1本じゃ相手にしてくれねーべよ」




犯人はそれが分かっていて小規模の被害を与えているのだろうか?




しかし次の日、畑でカラスの死骸が見つかった。そのカラスの死骸は、首がハサミで切られたかのように胴体と首が離れていた




その次の日、猫の首と胴体が……




まるで映せと言わんばかりに、カメラの範囲内に死骸だけ投げ入れていて犯人は見えない




「おらもう我慢ならねぇ!」




カメラではらちがあかないと、一人の村人が畑に隠れて見張る事になった




次の日、その村人の首と胴体が別れた状態で見つかった




その背中には、ハサミで皮膚をえぐりとったかのように「もう満足した」と書かれていた




その犯人は今も見つかっていない

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