第350話 市民体育館で
こんにちは、山内花林です。
今日は、市民体育館で遭った不思議な話です
土曜日の日に、市民体育館で高校生の新体操の大会があると言うので友達と一緒に見に行きました
1時間ほどして、休憩に入り、トイレに行く事になりました
市民体育館のトイレは、すべて和式で、多目的トイレだけが洋式です
友達は、和式に慣れないために洋式のトイレに並び、私は普通に和式のトイレに行きました
他の学校からも見に来ているのか、中学生や高校生も居るようです
トイレを終え、友達を待っていると、慌てて一人の中学生らしき女性がトイレから飛び出してきました
「友達がトイレから出てこない!」
何故か、私に言ってきました。他の人達は、誰も気が付いていないのか見向きもしません
「私がその女性と一緒にトイレに行くと、あれほど混んでいたのが嘘のようにシーンと静まり、1つの個室以外のドアはすべて開いています
一番奥の、その個室に問題の女性が入っているのでしょう
ドアをコンコンと叩いても、返事が無く、少しだけ見えるドアの隙間から見ると、長い髪の女性が立っているのが見えました。中学生らしき女性と制服が一緒でした
「大丈夫ですか?」
声を掛けたけれど、返事がありません
「誰か、職員の方を連れてきた方がいいのではないですか?」
と、女子生徒に話しかけようと思ったら、すでに居ませんでした。先に誰か他の人を呼びに行ったのでしょうか
もう一度、コンコンと叩き、ドアの隙間から覗こうとすると、目の前に「目」が
「きゃぁ!」
びっくりして尻もちをつくと、ガチャンとドアの鍵が外される音がしました
タイミング悪く、出ようとした時と重なったのでしょうか。お尻が冷たくなってきたので、慌てて立ち上がります
出てきたのならば私はもうここに用はありません。床に手をついたので、洗おうと洗面台に立ちました
後ろを、女性が歩いて行く気配がします
けれども、洗面台の鏡には誰も映っていません。やはり、そう言う事かと思い、トイレを出ようとすると、バンッとドアの閉まる音がしました
さっき出て行ったはずの個室のドアがまた閉まっています
「友達がトイレから出てこない!」
トイレの外で、もう一度そう言う声が聞こえました
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