第330話 ものじち

世の中にはいろんなやつが居ると思い知らされた




人質ならぬ物質をとるやつがいたんだ




あれは確か8月に入ったばかりだったと思う




どうやって調べたのか、家に電話が入った




「もしもし?」




「〇〇の家か? 身代金を用意しろ」




「なっ、誰だ! 娘は無事なのか!」




「人質はお前の娘じゃない、親だ」




「は? 俺の親は早くに亡くなったんだが? イタズラなら切るぞ?」




「お前こそ何を言っている。俺の手元にお前の親の骨壺があるんだぞ」




犯人は、何という事か親の墓から骨壺を盗み出していた




「身代金はいくらだ?」




「5百万用意しろ。墓の中へ入れておけ。当然、警察には電話をするなよ」




それだけ言うと犯人は電話を切った




だが、犯人も俺の職業が警察だとは知らなかったようだ

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